【数学】身近な確率をもとめてみよう!
「確率」という言葉はいろいろな場面で耳にする言葉だと思います。
では、確率とはいったい何でしょうか?
また、確率はどうやって求められるのでしょうか?
本記事では、中学数学の「確率」の分野について、出題されやすい問題を紹介しながら
徹底解説していきたいと思います。
1.確率ってなに?
確率=割合でOK!
みなさん、割合っておぼえていますか?
日常生活ではこんなシーンで割合は使われています。
「携帯の充電が残り10%しかない。」
「このバッターは毎年3割打つ良い選手だ。」
二つの文章に出てきた10%とか3割といった言葉は割合を表す言葉です。
このように、割合というのは、ある基準に対して、比べるものがどのくらいかということを表します
携帯の充電でいえば、満タンの100という基準に対して、今の充電が10しかないわけです。
打率というのはバッターボックスに立った回数という基準に対して、ヒットを打ったという回数がどれくらいかということを表しています。
確率も割合と同じ考え方を使います。
確率の場合、基準となるのは、起こりうる全てのパターンの総数で、それと比べるのは、特定のパターンが起こる数です。
ですから、このような式に表すことができます。
特定のパターンの数/起こりうる全てのパターンの数 = 特定のパターンが起こる確率
ですから確率の問題を解くときには、
①起こりうる全てのパターンの数
②問題で聞かれている特定のパターンの数
この二つの数を求める必要があります。
【練習問題】おみくじを引こう
では実際に確率の問題を解いてみましょう。
前に述べた”2つの数“がそれぞれどれにあたるのかを明らかにすることがポイントです。
【問題】
大吉、中吉・小吉の3つのくじが入ったおみくじがあります。
このおみくじを1回引いたとき、大吉が出る確率を求めなさい。
【解き方】
まず、くじを引いたときに起こるすべてのパターンを考えてみましょう。
そうするとこのようになります。
(1)大吉を引くパターン
(2)中吉を引くパターン
(3)小吉を引くパターン
この3通りが考えられます。
つまり「起こりうる全てのパターンの総数」は3であることが分かります。
次に、「大吉が出る」という特定のパターンが起こる数を求めていきます。
先ほど求めた3つのパターンの中で、「大吉が出る」というパターンは1つだけでした。
したがって、聞かれている特定のパターン数は1であることが分かります。
では、いよいよ確率を求めます。
確率は、特定のパターンの数/起こりうる全てのパターンの数という式で表せましたね。
したがって今求めた数字をこの式に代入して
1/3
という答えがでます!
2.身近な確率を用いた問題
ではここから、身の回りで確率を計算することができる問題を解いてみましょう。
2-1.身近な確率~サイコロ編~
【問題】
ひとつのサイコロを1回振った時に「奇数の目が出る」確率を求めてみましょう。
【解き方】
まず、サイコロを振ったときに起こりうる全てのパターンを考えましょう。
サイコロを振った時に出る目は
「1・2・3・4・5・6」
の6つですから、6通りということが分かります。
次に、サイコロを振って奇数の目が出るパターンを考えましょう。
奇数は「1・3・5」ですから、3通りになります。
では確率を求めましょう。
確率の求め方は、特定のパターンの数/起こりうる全てのパターンの数ですから
3/6 = 1/2
という答えがでます。
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2-2.身近な確率~トランプ編~
【問題】
ジョーカーを除く52枚のトランプから1枚ひくとき、
(1)ひいたカードが、ハートである確率。
(2)ひいたカードが、3である確率。
(3)ひいたカードが、絵柄のカードである確率。
【解き方】
(1)
トランプには、♠(スペード)・♥(ハート)・♦(ダイヤ)・♣(クラブ)の4つの記号があり、一つの記号につき、1(エース)から13(キング)まで
13枚のカードがあります。
つまり4×13 = 52枚のカードがあります。
したがって、トランプ1セットから1枚のカードを引く場合、起こりうるパターンは52通りあるわけです。
また、ハートの記号がついたカードは13枚あるので、ハートのカードを引くパターンは13通りあります。
したがって求める確率は
13/52 =1/4
(2)
52枚のトランプの中で、数字の3のカードは、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの4種類あるので4枚あります。
よって求める確率は
4/52 = 1/13
(3)
絵柄のカードとは、11(ジャック)、12(クイーン)、13(キング)の3種類のカードのことです。
1枚につきそれぞれ4種類の記号のカードがあるので、全部で3×4 = 12枚です。
よって、求める確率は
12/52 = 3/13
4.身近な確率~コイン編~
【問題】
コイントスをするとき
(1)2回投げて、1回目に表、2回目に裏がでる確率。
(2)3回投げて、1回目に表、2.3回目に裏がでる確率。
(3)3回投げて、1回だけ表がでる確率。
をそれぞれ求めなさい。
【解き方】
(1)
まず、起こりうる全てのパターンを考えます。
(一回目に出た目、二回目に出た目)というように書き出すと、
(表、表)、(表、裏)、(裏、表)、(裏、裏)の4パターンになります。
この中で、1回目に表、2回目に裏がでるパターンは1つだけです。
したがって求める確率は1/4となります。
(2)
コインを3回投げたときに起こりうる全てのパターンを考えてみます。
すると、
(1)の問題で出てきた4つのパターンに、それぞれ3回目に出る目として「表」か「裏」のどちらかが
加わることが分かります。
つまり、4×2=8より8通りになります。
8通りの中で、(表、裏、裏)の順になるのは1通りしかないので
求める確率は、1/8となります。
(3)
1回だけ表がでるのは、(表、裏、裏)、(裏、表、裏)、(裏、裏、表)の3通りしかないため
求める確率は3/8となります。
5.身近な確率~2つのさいころ編~
【問題】
2つのサイコロを投げるとき、
(1)出た目の数の和が6になる。
(2)出た目の数の積が10以上になる。
【解き方】
2つのサイコロを使った問題を解くときは表を書きましょう。
縦軸、横軸にはそれぞれのサイコロの目を書き、マスにはそれぞれのサイコロで出た目が書かれています。
マスの数が起こりうる全てのパターンの数ですから、6マス×6マスで
36通りであることが分かります。
(1)
36通りの中から、和が6になるものを探してみましょう。
それぞれのマスに縦と横の和を書き込みます。
和が6になっているところを赤色の丸で印をつけています。
丸の数を数えると、5個あります。
よって求める確率は
5/36
となります。
(2)
今度は、それぞれのマスに積を書き込んでいきます。
聞かれているのは、目の積が10以上になる組み合わせなので、
10以上になっているところに赤色の丸をつけていきます。
赤色の丸の数を数えると19個あります。
よって求める確率は
19/36
となります。
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6.身近な確率~じゃんけん編~
【問題】
A,Bの2人がじゃんけんを1回するとき、次の確率を求めなさい。
(1)Aが勝つ確率
(2)あいこになる確率
(3)Bが勝つ確率
【解き方】
Aがグーの手を出した場合、Bが出しうる手はグー、チョキ、パーの3通りです。
同じように、Aがパー、チョキを出した場合も3通りですから、
このじゃんけんで起こる組み合わせは、
3×3=9通りあります。
(1)
この問題で問われているのはAが勝つ場合ですから、
樹形図からAが勝つものを探します。
すると左図のように3パターンあるので、
求める確率は、3/9 = 1/3となります。
(2)
「あいこ」とは、じゃんけんで二人が同じ手を出した場合のことです。
あいこになる確率も(1)同様に求めていけばよいので、
左の図より3通りと分かります。
よって、求める確率は
3/9 = 1/3
となります。
(3)
Bが勝つ = Aが負けることですので、
先ほどと同様に求めていくと、左の3通りと分かります。
よって、求める確率は
3/9 = 1/3
となります。
7.身近な確率~2本のくじ編~
【問題】
5本のうち2本が大吉のおみくじがある。
Aさん,Bさんの2人がこの順番でこのくじを1本ずつひくとき、
Aさん,Bさんのそれぞれが大吉を引く確率を求めなさい。
【解き方】
5本のくじのうち、Aさんが先にくじをひきます。
この時、Aさんがくじをひくパターンは5通りあります。
内訳としては、あたりくじ1、あたりくじ2、はずれくじ1、はずれくじ2、はずれくじ3の5つとなります。
Aさんの次にくじをひくBさんは、Aさんがひいたくじをひくことはできないので、残りの4つのくじから引いていくことになります。
これを樹形図にすると左のようになります。
(あたりくじを赤文字、はずれくじを黒文字で表しています。)
よってAさん、Bさんの順にくじを引いていく組み合わせは、全部で20通りあることが分かります。
Aさん、Bさんの両方があたりくじをひく場合を探してみると、
左図のように、2通りあることが分かります。
したがって求める確率は
2/20 = 1/10
となります