【愛知県】令和4年度/2022年度入学者高校入試選抜試験:国語

愛知県の2022年3月実施の令和4年度(2022年度)入学者の公立高校入試問題の解説をしています。
受験勉強において、過去問を解くことはとても効果的な勉強法です。ぜひ、受験までに一度挑戦し、問題の傾向を掴んでおきましょう。合わせて、対策などをたてられるととても良いですね。
また、過去問で苦手な点が見つかった場合は、そこを中心に試験日当日までにしっかりと対策しておきましょう。

愛知県の公立高校入試情報はこちら

【愛知A】大問1 論説文

問題文

次の文章を読んで、あとの(一)から(六)までの問いに答えなさい。

(一)[A],[B]に当てはまる言葉の組み合わせよして最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア[A]それゆえ[B]たとえば
イ[A]なぜなら[B]たとえば
ウ[A]それゆえ[B]そして
エ[A]なぜなら[B]そして

(二)①にあてはまる最も適当なことばを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア大局的な
イ一方的な
ウ楽観的な
エ急進的な

(三)②の具体例として適当でないものを、次のアからエまでの中から一つ選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:子供のころに覚えたダーウィンの進化論を真理だと思い込むこと
イ:封建主義時代という認識方法で共同体時代を悲惨なものと捉えること
ウ:新しい中世社会論や江戸時代論も一つの認識にすぎないと考えること
エ:欧米の社会を基準として非欧米地域を未開の地と認識すること

(四)③とあるが、筆者はこのように考える理由を第六段落で詳しく述べている。それに要約して、六十字以上七十字以下で書きなさい。ただし、「思考」、「認識」、「考え方」という三つのことばを全て使って、「私たちの精神は、~」という書き出しで書き、「~可能性があるから。」で結ぶこと。三つのことばはどのような順序で使ってもよろしい。

(五)次のアからエまでの中から、その内容がこの文章に書かれていることと一致するものを一つ選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:常識とされる考えを疑い、ものごとの真理や本質を捉えることができれば、独自の意見を創造する自由な精神を得たことになる。
イ:自分の認識を常に疑うことで、批判的精神を身につけることができる一方、自由な精神を失う可能性があることに留意すべきである。
ウ:自由な精神を得るためには、健全な批判精神をもつだけでなく、自分の認識が誤りではないかと常に省みることが重要である。
エ:無意識の世界では、人間の自由な精神は言葉を介さない方法によってものごとを認識し、他者と感動を共有することができる。

(六)この文章の論の進め方の特徴として最も適当なものを、次のアからオまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:最初に結論を述べた後、その根拠となる複数の具体例を示すことで、自らの主張をわかりやすく伝えようとしている。
イ:一般に認められている考え方を紹介したのちに、自分の考えと共通する意見を提示し、続いて述べる自らの考えの妥当性を高めている。
ウ:さまざまな研究分野の文章を引用した上で、自らの考えを述べ、想定される反論の問題点を示すことで説得力を強めている。
エ:中心となる問題を提起したのちに、自身の経験を交えたさまざまな例を挙げながら、自らの考えを掘り下げている。
オ:はじめに仮説を立てた後、身近な事例に基づいて検証を進めることで、自らの考えの客観性と確かさを明らかにしている。

解答・解説

(一)エ
Aにはいる候補は「それゆえ」「なぜなら」。前者は順接、後者は理由の接続詞。直後には「~からである」という文になっているので「なぜなら」が適する。
Bに入る候補は「たとえば」「そして」。前者は例示、後者は順接の接続詞。直前直後の文がスムーズにつながっているので「そして」が適する。
よって、答えはエ

(二)イ
前後の文脈から「制限された・限定された」という意味合いの言葉が適しているため、イが最適。

(三)ウ
「人間の精神を不自由にしていく芽」=「制限された・限定された」と読み解けば良い。選択肢の中で画一的な表現になっていない選択肢を選べば良いので、答えはウとなる。

(四)(例)私たちの精神は、言葉を用いて思考し、ものごとを認識するため、その言葉を作り出した時代の考え方に支配される可能性があるから。
第六段落の要約をすればよい。私たちの精神は「言葉を用いて思考」し、「ものごとを認識する」ために「その言葉をつくりだした時代の考え方に支配されるのかもしれない」ということをまとめることができればよい。

(五)ウ
アは「独自の意見を想像する自由な精神を得たことになる」、イは「自由な精神を失う可能性がある」、エは「他者と感動を共有することができる」が不適。

(六)エ
アは「最初に結論」、イは「自分の考えと共通する意見を提示」、ウは「さまざまな研究分野の文章」、オは「身近な事例に基づいて検証」が不適。

大問2 漢字の読み書き・熟語

問題文

次の(一)、(二)に答えなさい。

(一)次の①、②の文中の傍線部について、漢字はその読みをひらがなで書き、カタカナは漢字で書きなさい。
①波間に小舟が漂っている。
②過去十年間の留学生のゾウゲンを調べる。

(二)次の文中の③にあてはまる最も適当なことばをあとのアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
彼のすばらしい演奏は、③にできるものではない。
ア:一朝一夕
イ:一喜一憂
ウ:一長一短
エ:一進一退

解答・解説

(一)①ただよ
漂流(ヒョウリュウ)も覚えておこう。

②増減
増える減るの反対の意味を重ねた熟語。他には「寒暖」や「高低」など。

(二)ア
それぞれの意味は
ア:わずかの時日
イ:情況が変化するたびに、それにつれて喜んだり心配したりすること
ウ:長所もあるし短所もあること。
エ:進んだりあともどりしたりすること。
という意味。

大問3 小説文

問題文

次の文章を読んで、あとの(一)から(五)までの問いに答えなさい。

(一)本文中の<A><B>に当てはまる言葉の組み合わせとして最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んでそのかな符号を書きなさい。
ア:<A>沈んで<B>甘えて
イ:<A>沈んで<B>反発して
ウ:<A>張りつめて<B>反発して
エ:<A>張りつめて<B>甘えて

(二)美佐子と「山」とのかかわりについて説明したものとして最も適当なものを次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:新しい文様を産みだすのは難しく、行き詰ってどうしようもなくなったとき、山という雄大な自然は現実から逃避できる場所としての心のよりどころになっている。
イ:師の求める作品の水準は高く、文様を完成させる自信は持てないが、文様を完成させることができれば未登攀の岩壁を登ることができるような気がしている。
ウ:未知の世界に挑む難しさを思い、他人のまねをすることなく新しい文様を創作する行為と、誰も登ったことのないルートで岩壁を登る行為を重ね合わせている。
エ:新しい文様のヒントは意外な場所に埋もれており、常に探しながら行動していれば、山の景色の中から手がかりが得られる瞬間がくると確信している。

(三)①とあるが、美佐子が提示した文様をみたときの松磬の心情として最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:美佐子が書いた図案は、自分が教えた技術を生かしながらもそれを超越するものであったため、妬みを感じている。
イ:美佐子が書いた図案は、予想をはるかに上回る独創的で優れたものであったため、衝撃を覚えている。
ウ:美佐子が書いた図案は、屈輪文様の伝統を無視したかなり斬新なものであったため、不満を感じている。
エ:美佐子が書いた図案は、師の自分を試そうとする意図が感じられるものであったため、腹立たしさを覚えている。

(四)②とあるが、その説明として最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:弟子が自分を越えてさらに高みへと成長していくことは、師としてかけがえのない喜びではあるが、一方で自分がかかわれることはもうないと感じている。
イ:弟子が金牌をとることができれば、師として誇らしいことだが、一方で伝統を重んじる世界で弟子の文様は評価されない可能性があることを恐れている。
ウ:弟子が自分の望んだ通りに成長を遂げ、師として大変満足しているが、一方で弟子が今後も同じ水準の作品を掘り続けることができるかを心配している。
エ:弟子がこれから鎌倉彫を変えていくことは間違いなく、師として心から期待しているが、一方で鎌倉彫の伝統が受け継がれないのではないかという思いがある。

(五)次のアからオは、この文章を読んだ生徒五人が、意見を述べあったものである。その内容が本文に書かれていないことを含むものを二つ選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:美佐子はまじめでひたむきな、妥協を許さない性格だと思います。自分の気持ちをことばにして表すことはありませんが、師の松磬から与えられた難しい課題に対して、粘り強く取り組む芯の強さを感じます。
イ:文様の案がなかなか定まらない美佐子は、趣味の岸壁登攀をこのまま続けるべきか葛藤したのではないでしょうか。難しい岩壁に一心に向き合うことが、かえってつらい現実を思い出させることになるからです。
ウ:師の松磬は美佐子の新しい発想を求めようとする性格をよく理解しており、自主性を重んじ、完成するまでじっと待っています。創作のヒントが与えるものの、終始、美佐子を温かく見守るという姿勢を貫いています。
エ:美佐子は、創作のヒントが得られると思って旅先の鎌倉の海岸を訪れたことにより、満足のいく文様を完成させることができました。彼女が全ての時間を文様の創作にささげてきた成果が実ったのだと思います。
オ:美佐子の文様は、対照的なものが組み合わさった革新的なデザインで、着想を得た景色とともにその文様が目に浮かぶようです。師の松磬もその文様に、新しさだけでなく、高い次元の芸術性を見たのだと思います。

解答・解説

(一)ア
<A>には「足は重かった」から「沈んで」が、<B>は師の言葉に従っているので「甘えて」が適している。

(二)ウ
アは美佐子の登攀は趣味であるので不適、イは松磬の求める課題は難しいが水準が高いものを”求める”ことはしていないので不適、エは確信を持っているわけではないので不適。

(三)イ
アは妬みを感じていないので不適。ウは不満を感じていないので不適。エはほぼ全てが違うので不適。

(四)ア
イとエは伝統のことまで本文に書かれていないので不適。ウは今後のことまで本文に書かれていないので不適。

(五)イ、エ
イ:葛藤はしたかもしれないが向き合い続けることが辛い現実を思い出させる描写はない。
エ:旅先の鎌倉が不適。

※今回の小説文は全体的に本文に書いてあることを正確に拾い上げる力が求められている。
想像で解答をする受験生は苦戦を強いられたと思う。

大問4 漢文

問題文

次の漢文を読んで、あとの(一)から(四)までの問いに答えなさい。

(一)二重傍線部アからエまでの中から主語が①の主語と同じものを二つ選んで、そのかな符号を書きなさい。

(二)②とあるが、漁師がこのような行動をとった理由として適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:稚魚を捕まえているところを巫馬期に見られたから。
イ:稚魚を捕まえてもたいした利益にはならないから。
ウ:稚魚を捕まえることは宓子が望んでいないから。
エ:稚魚を捕まえることは法律で禁じられているから。

(三)③とあるが、報告とともに巫馬期が孔子に尋ねたことは何か。その内容として最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:どのようにしたら経済活動を盛んにして人々の生活を豊かにすることができるのかということ
イ:どのようにしたら刑罰を意識させずに厳しい法律を人々に受け入れさせることができるのかということ
ウ:どのようにしたら人々が争うことのない落ち着いた世の中にすることができるのかということ
エ:どのようにしたら人が見ていなくても自らの行動を律するような人々を導くことができるのかということ

(四)次のアからエまでの中から、その内容がこの文章に書かれていることと一致するものを一つ選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:巫馬期は、宓子の政治の進め方に感心して自らの政治を改めた。
イ:宓子は、為政者にまごころがあれば民に伝わると考えていた。
ウ:孔子は、刑罰で民を支配する政治は間違っていると主張した。
エ:亶父の人々は、厳しい刑罰におびえながら生活をしていた。

解答・解説

(一)ア
アの主語は巫馬期、イの主語は漁師、ウの主語は宓子、エの主語は孔子。①の主語は巫馬期なので、アが適する。

(二)ウ
文中「宓子は人の小魚を取るを欲せざるなり」より、ウが適する。

(三)エ
文中「人の闇行するに。厳刑の其の側に在ることが有るがごとからしむ」より、エが適する。

(四)イ
文中「此に誠ある者は、彼に刑はる」より、イが適する。

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【愛知B】大問1 論説文

問題文

次の文章を読んで、あとの(一)から(五)までの問いに答えなさい。

(一)①について、筆者の考えを説明したものとして最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:社会の中で生きている言葉は時代とともに必ず変化しているため、一つに限定された正しい意味というものはない。
イ:いつの時代でもどんな場面でも、一つの単語に対応した不変で普遍的な意味領域をもつことが言葉の正しさである。
ウ:ことばの意味は時間とともに元の意味から逸脱していくため、現時点で多くの人が用いていれば正しい意味となる。
エ:多くの人が使っていることばの意味から曖昧さを除き、厳密に定義しなければことばの正しさを保つことはできない。

(二)<A>にあてはまる最も適当なことばを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:のちのち
イ:ますます
ウ:すらすら
エ:せいぜい

(三)②とあるが、このように筆者が考える理由として最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:ことばの意味とは特定の世界だけで通用する約束ではなく、どのような人が用いても変わらない厳密なものだと考えているから。
イ:ことばの意味とは使い方を限定した取り決めではなく、広がりがあって多くの人に共有されている捉え方であると考えているから。
ウ:ことばの意味とは曖昧なままで使用されるものではなく、使用される範囲は限定的で厳密なものであるべきだと考えているから。
エ:ことばの意味とは長い時間を経ても変わらないものではなく、使用される時と場面によってそのつど意味が異なると考えているから。

(四)この文章中の点線部の説明として最も適当なものを、次のアからオまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:第一段落の「楽天的」には、辞書の読者に対してことばの将来に明るい展望をもってほしいという期待が込められている。
イ:第三段落の「気づいては」には、たまにしかことばの変化や乱れに気づけない辞典の読者に対する残念な思いが込められている。
ウ:第四段落の「深い信仰心」には、ことばの意味を正確に記述する辞典に信頼を寄せてくれる読者への感謝が込められている。
エ:第五段落の「厳密屋さん」には、ことばの定義を徹底的に追及しようとしている人々の熱意に対する敬意が込められている。
オ:第八段落の「称して」には、厳密さを求めるためにことばの意味を限定する考え方に同意できない気持ちが込められている。

(五)次の文章は、本文を読んだある生徒の感想をまとめたものであるが、文の順序が入れ替えてある。筋道が通る文章とするためにアからオまでを並べ替えるとき、二番目と四番目にくるものをそれぞれ選び、そのかな符号を書きなさい。
ア:この経験から、一つの言葉が表す世界の幅広さを理解しました。ですから、クラスで話し合って合意を形成する際には、まずそれぞれがテーマ(ことば)から考えた意味を出し合ってことばの「はば」を確認し、クラスとしてどう捉えるかを決めることが大切ではないでしょうか。方向性を定めて共有できれば、そこからさまざまなアイデアが産まれてくると思います。
イ:筆者は「ことばには『はば』がある」と述べていますが、私にも、まさにこのことばの「はば」というものを実感した経験があります。
ウ:そこで私たちは、議論を深めるために「暮らしやすい」ということばの意味を限定し、共有することにしました。結局、私の考えた「お年寄りや子供が安心して暮らせること」になりましたが、「はば」のあることばの意味を一つに限定して共有することで話し合いの方向性が定まり、さまざまな世代が交流できるイベントを考え、クラス全体に提案することができました。
エ:そのときグループの一人が、「そもそもみんなは『暮らしやすい』ということばをどういう意味で使っていますか」と聞いたのです。私は「お年寄りや子供が安心して暮らせること」と答えましたが、「公共の交通手段が整備されていること」で有ったりと、それぞれ異なっていました。
オ:それは、ホームルームでグループに分かれ、「私たちの住む街を暮らしやすくするために何ができるのか」をテーマに意見を述べあったときのことです。グループの中でそれぞれの考えを出し合いましたが、そこから議論は深まりませんでした。

解答・解説

模範的な論説文の文章です。
筆者=辞書の編集者vs”厳密屋さん”=辞書の読者(指摘する人)の構造を理解して、それぞれが持つ「ことば」への在り方を見ていくと答えが導きやすいです。

(一)ア
筆者の考えを答えるので、「ことば」=「はば」があるものであるという選択肢を選べばよい。
イとエは逆の立場のことを言っているので不適。ウは総じて決めつけが強い。ことばは必ず逸脱はしないし、多くの人が使っているから正しいという論理にはならない。

(二)エ
文末が「~しますまい」と限定の意味合いになっているのでエが最適。
アは「あとで」、イは「さらに」、ウは「流ちょうに」といった意味。

(三)イ
この問題も筆者の考えに沿うので、「ことば」を限定的・厳密に定めているア、ウは不適。エの「使われる時と場面によってそのつど意味が異なる」は言い過ぎ。

(四)オ
ア:厳密との対比として用いられている。
イ:読者への残念な思いではなく、皮肉が込められている。
ウ:こちらも皮肉を込めた表現です。
エ:これも皮肉を込めた表現です。この作者はニヒルな人ですね。

(五)オ、ウ
順番としては
イ(問題提起『起(大)』)→オ(事態の内容『起・承』)→エ(事態の進展『転』)→ウ(事態の収集『結』)→ア(自分の意見『結(大)』)という順番になっている。

大問2 漢字の読み書き・漢字知識

問題文

次の(一)、(二)の問いに答えなさい。

(一)次の①、②の文中の傍線部について、漢字はその読みをひらがなで書き、カタカナは漢字で書きなさい。
①街路樹の枝が自転車の通行を妨げている。
②読まなくなった本を整理し、棚にシュウノウした。

(二)次の③の文中の傍線部に用いる漢字を、あとのアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
③窓には、通風やサイ光の役割がある。
ア:済
イ:裁
ウ:催
エ:採

解答・解説

(一)①さまた ②収納
①妨害「ぼうがい」とも読む。
②同じ意味を並べた熟語。他にも「創造」や「堅固」などがある。

(二)エ
光を採る。という意味の熟語になる。

大問3

問題文

次の文章を読んで、あとの(一)から(六)までの問いに答えなさい。

(一)①の説明として最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:近代以降、人間に自分の弱さや小ささを自覚させてきたものであるが、一方で人間のこれからの可能性を感じさせてくれたもの
イ:近代以降、人間が壮大な世界と自らをつなぐものとして求めてきたものであるが、逆に人間と世界を切り離すことになったもの
ウ:近代以降、人間は世界と自分をつなぐことの重要性を認識するようになり、その目的を達成するために人間が手作業で作ったもの
エ:近代以降、人間の弱さや小ささを痛感して開発されてきたものであり、建築をはじめあらゆる分野で人間を幸福にしてきたもの

(二)②とあるが、筆者が考える「小ささ」とはどのようなことか。その説明として最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:小さくて非力な人間と同様に、弱弱しくすぐに壊れてしまうこと
イ:身近で親しみやすいが、手を加えることは簡単にできないこと
ウ:全体の小ささではなく、単位として適切な大きさや重さであること
エ:人間の身体に合わせて、全体の大きさが縮小されているということ

(三)<A>、<B>にあてはまる最も適当なことばを、次のアからカまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:しかも
イ:やがて
ウ:いかに
エ:とうてい
オ:ところが
カ:あたかも

(四)筆者は第四段落で。「水のレンガ」で建築を作ろうと思い立った理由について述べている。それを要約して、七十字以上八十字以下で書きなさい。ただし、「身体」、「合理的」という二つのことばを使って、「「水のレンガ」は、~」という書き出しで書くこと。二つのことばはどのような順序で使ってもよろしい。

(五)③ということばに込められた筆者の気持ちとして最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:感服
イ:皮肉
ウ:憧れ
エ:妬み

(六)あとのアからオまでは。本文を読んだ生徒五人が、次の参考文も踏まえて、筆者の建築に対する考えをまとめたものである。その内容が本文及び参考文に書かれていない考えを含むものを一つ選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:本文と参考文のいずれかにおいても、筆者が目指しているものは、工業化社会からの脱却である。人々は、コンクリートという強く大きな塊に頼ってきたが、世界と切り離され、幸せではないことに気づいた。今、大切なのは、小ささや「点・線・面」という物の在り方である。
イ:筆者は、「小さな建築」に必要な「小さな単位」として水のレンガを考案し、建築する試みを行った。さらに近年では、同じ「小さな単位」として小さな木のピースを用い、全体は大きくても目の前にあるのは小さな点や線という国立競技場の完成に至った。筆者のテーマ「コンクリートから木へ」が形になったといえる。
ウ:筆者は、二十世紀を工業化社会、二十一世紀をポスト工業化社会と捉え、そのうえで建築に用いる素材の違いに注目している。一度作ると簡単には壊せないコンクリートで作った建築よりも、パラパラとした開放感のある、木を素材とした建築が求められる社会が来ることを予想している。
エ:人間は、コンクリートによる「大きな建築」に閉じ込められた生活を幸福と錯覚していたことへの反省から「小さな建築」を目指すようになった。そこで筆者は、国立競技場に見られるように、全国から集めた本を用いて建築を作っている。これは自然への回帰と自然保護の両立を図ろうとする試みである。
オ:筆者は、「小さな建築」を建築全体の小ささと捉えるのではなく、何を用いて作るかを問題としている。本文では身近な場所で利用されているものからヒントを得た水のレンガを考案し、建築に応用する過程が語られている。また参考文では、小さな木のピースを作って作り上げる建築が紹介されている。

解答・解説

この論説文も「小さな建築」と「大きな建築」の対立構造になっているが、その論理を読み解くよりも本文に「書かれているか否か」を探し出す問題が多い。

(一)イ
「大きな建築」について筆者は批判的であることを考えると、ア、エは不適。ウは「人間が手作業で作ったもの」が不適。

(二)ウ
第三段落の「小さな建築」とは、実は「小さな単位」のことなのである。より。

(三)<A>ア<B>ウ
<A>には順接が入るのでアが最適。<B>には「~でも」とセットになる逆接を
考えるとウが最適。

(四)(例)「水のレンガ」は、人間の身体がハンドルしやすい大きさ、重さであるだけでなく、自由に重さを変えることができるため、合理的で気楽な構造システムとなるから。
レンガの特徴は「身体がハンドルしやすい大きさ、重さ」であることだが、さらに筆者は「自由に重さを変えることができるレンガがあったら」という発想から「水のレンガ」を思い立った。その特徴は「合理的で気楽な構造システム」だと述べられている。

(五)イ
筆者と逆の立場の話しなのでプラスイメージである、アとウは不適。エの妬みはマイナスイメージであるが、本文には適さない。

(六)エ
「自然への回帰と自然保護の両立を図ろうとする試み」という記述はない。

大問4 古文

問題文

次の古文を読んで、あとの(一)から(四)までの問いに答えなさい。

(一)①は歴史的かなづかいである。これを現代かなづかいになおして、ひらがなで書きなさい。

(二)②ということばの意味として最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:当事者よりも第三者の方が物事を難しく捉えてしまうこと
イ:当事者よりも第三者の方が物事の深みを感じられること
ウ:当事者よりも第三者の方が物事の是非を見極められること
エ:当事者よりも第三者の方が物事を厳しく評価してしまうこと

(三)③の現代語訳として最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:これまでの行動を振り返って良く反省してみると
イ:現在の視点から過去のことをあれこれ考えてみると
ウ:家に戻ってから対局をじっくり思い出してみると
エ:囲碁をした場所を訪れて様子をうかがってみると

(四)次のアからエまでの中から、その内容がこの文章に書かれていることと一致するものを一つ選んで、そのかな符号を書きなさい。
ア:現在の出来事には過去の出来事と似ているところがあり、過去の失敗を知ると今やるべきことに思い至ることが多い。
イ:現在よりも過去の方が善悪の判断基準がはっきりしていたため、歴史を学んだ人には適切に是なくを判断できる人が多い。
ウ:過去の出来事が複雑に絡み合って現在の出来事があるため、過去を学ぶことで今を深く理解することができる。
エ:過去の失敗に学ぶという点で歴史と以後には通じるものがあり、歴史を学んで得たことは囲碁に生かすことができる。

解答・解説

(一)いにしえ
「は・ひ・ふ・へ・ほ」→「わ・い・う・え・お」に直す

(二)ウ
「当局の人は闇く、傍観るの者は明らかなり」より。

(三)イ
「立かへつて」からアとイに絞られ、「思案をめぐらす」に「反省」の意味はないので、イが最適。

(四)ア
イ:「現在よりも過去の方が善悪の判断基準がはっきりしていた」が不適
ウ:「過去の出来事が複雑に絡み合って現在の出来事がある」が不適
エ:「歴史を学んで得たことは囲碁に生かすことができる」が不適

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