【数学】方程式の作り方と解き方

今回取り扱う方程式は、数学で一番最初につまずくお子さんが多い分野です。
この方程式は単体で重要なだけでなく、これから中2、中3と学年が上がっていくと習う単元の礎にもなっています。

ここでは等式の意味から移項の仕方など、基本中の基本から丁寧に解説をしていきたいと思います。
それでは早速やっていきましょう!

目次

1.等式とは?

等式とは簡単に言うと「=(イコール)で結ばれた式」のことを言います。意味がとても重要で、=の左側(左辺)と右側(右辺)の数が同じということを意味します。

以前に勉強した文字式を用いて実際の例を見てみましょう!
不安な方は戻って復習してみてください。

例題1

次の数量の関係を、等式で表しなさい。
(1)1本x円の鉛筆を5本と、1個y円のノートを3冊の代金は等しい。
(2)xの2倍と3との和はyの5倍に等しい。

解答1

(1)1本x円の鉛筆5本の代金はx×5=5x(円)となる、また1冊y円のノート3冊はy×3=3y(円)となる。
この二つの代金が「等しい」とあるので=で結ぶと、5x=3yが答えとなります。

(2)左辺と右辺に分けて考えていきます。
左辺は「xの2倍と3との和」の部分です。ここはx×2+3となるので2x+3と表せます。
右辺は「yの5倍」の部分です。ここはy×5となるので5yと表せます。
この両辺が「等しい」とあるので=で結ぶと、2x+3=5yが答えとなります。

また、等式にはとても重要な法則があります。
それは「左辺と右辺それぞれ(合わせて両辺と呼びます)同じ数の加減乗除の計算をしても、答えは同じになる」ということです。

この法則は方程式を理解するために必要になってくるので、覚えておきましょう。

2.方程式とは

文字を含む等式のことを方程式と呼びます。この文字に当てはまる値を方程式のとよび、これを求めることを、方程式を解くと呼びます。

方程式を解いていくうえでほぼ必ず出てくる概念が「移項」というものです。前節の等式の法則を踏まえて解説していきます。

例題2

次の方程式を解きなさい
(1)x+12=5
(2)x-9=12
(3)6x=24
(4)x/3=12

解答2

(1)両辺に同じ数を加減乗除しても答えは同じという法則を使っていきます。
今回の場合は両辺に「-12」を足し算していきます。
(左辺)=x+12+(-12)=x
(右辺)=5+(-12)=-7
よって、x=7が答えとなります。

(2)今回も法則を使って両辺に「+9」を足し算すると答えを得られます。
ただ、毎回その方法だと大変なので移項を使って解いていきたいと思います。
方程式の解を得るためには「x=○」の形になることを目指していけばよいので、今回の場合は「-9」が邪魔になりますね。
具体的には左辺から右辺に「-9」の移って欲しいということです。
項が=から移動するときは符号が入れ替わります。
つまり、x=12+9となります。これを解くとx=21が答えとなります。

(3)「x=○」の形になることを目指すためには何が必要かを考えていきましょう。
そうすると6xの6が邪魔になることが分かります。両辺に同じ数を加減乗除しても答えは同じ法則を使うと、両辺に6の逆数を掛けていきます。
(左辺)=6x×(1/6)=x
(右辺)=24×(1/6)=4
よって、x=4が答えとなります。

(4)(3)と同じ様に考えていきましょう。今回は1/3の逆数である3を掛けていけばよいので
(左辺)=x/3×3=x
(右辺)=12×3=36
よって、x=36が答えとなります。

3.方程式の解き方まとめ

ここまでで方程式を解くためには「x=○」の形にすることと、移項(両辺に同じ数を加減乗除しても答えは同じ法則)を使うということが分かりました。

ざっくりですが、方程式を解くための手順をまとめます。
①左辺に文字だけ、右辺に数字だけになる様に移項をする。
②「x=○」にするために、xについている係数の逆数を両辺に掛ける。
まとめると上記2点だけです。意外と簡単そうですね。それでは実際に例題を何題か解いていきましょう。

例題3

次の方程式を解け。
(1)12x-36=8x
(2)3x-5=4
(3)29x+25=14x-5

解答3

(1)手順まとめ①からやっていきましょう。
「8x」を左辺に、「-36」を左辺に移項すればよいので
12x-8x36
4x=36となります。
次に②より、4の逆数である「1/4」を両辺に掛ければよいので
4x×(1/4)=36×(1/4)
x=9が答えとなります。

(2)手順①より「-5」を右辺に移項すればよいので
3x=9となります。
次に②より、3の逆数で「1/3」を両辺に掛ければよいので
x=3が答えとなります。

(3)手順①より
15x=-30となり、手順②より
x=-2が答えとなります。

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4.いろいろな方程式

ここでは色んなパターンの方程式を解いていきたいと思います。
基本は前節でまとめた①②の手順で解けますが、その手順に入る前の下準備が必要になってきます。
具体例と一緒に見ていきます。

4-1.かっこの入った方程式

()が含まれる方程式は分配法則を使って、()を外してから解いていきます。
やっていきましょう。

例題4-1

次の方程式を解け
(1)2(x-1)+3=-15
(2)3x+6=-7(x+2)

解答4-1

(1)まず分配法則を使って()を外していきましょう。
x-1+3=-15
2x-2+3=-15
手順①より、「-2」と「+3」を右辺移項すると
2x=-15-3+2
2x=-16
手順②より、2の逆数の1/2を両辺に掛けると
x=-8が答えとなります。

(2)同じ様に解いていきましょう。
3x+6=-7x-14
10x=-20
x=-2が答えとなります。

4-2.小数の入った方程式

小数の入った方程式は整数の値になるように両辺にかけ算を行います。
0.1の場合は10倍、0.01の場合は100倍すると整数になりますね。

例題4-2

次の方程式を解け
(1)0.5x-0.2=0.8
(2)0.7x-1.53=1.5x-0.73

解答4-2

(1)小数第1位が一番小さい数なので、両辺を10倍すればよい。
0.5x×10-0.2×10=0.8×10
5x-2=8
手順①より「-2」を右辺に移項すればよいので
5x=8+2
5x=10
手順②より5の逆数の1/5を両辺に掛ければよいので
5x×1/5=10×1/5
x=2が答えとなる。

(2)小数第2位が一番小さい数なので、両辺を100倍すればよい。
70x-153=150x-73
手順①②を行うと
70x-150x=-73+153
-80x=80
x=-1が答えとなる。

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4-3.分数の入った方程式

分数の入った方程式は分母の最小公倍数を両辺にかけ算を行います。
早速問題を見てみましょう。

例題4-3

次の方程式を解け
(1)3x/4-1/2=x/2+1/4
(2)(2x+1)/3=(x-3)/2

解答4-3

(1)分母の2,4の最小公倍数は4なので、両辺に4を掛けると
3x-2=2x+1
手順①②より
x=3が答えとなる。

(2)分母の2,3の最小公倍数は6なので、両辺に6を掛けると
2(2x+1)=3(x-3)
分配法則によって()を外すと
4x+2=3x-9
手順①②より
x=-11が答えとなる。

この記事を書いた人
趣味:カメラ

学習アドバイザー 早川

これまで学習アドバイザーとして沢山のお子さんのお悩みを解決してきました。そのノウハウや勉強のコツなどをこの記事を通して発信していきます。
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