【公民】日本国憲法
今回は日本国憲法について解説していきたいと思います。
啓蒙思想や憲法の成立から、日本国憲法の内容までを取り扱っていきます。
日本国憲法の三大原則などテストによく出てくる項目もあるのでしっかり押さえていきましょう!
1.啓蒙思想と憲法
憲法を学んでいくにあたり、「啓蒙思想」という考え方の歴史から紹介していきたいと思います。
啓蒙思想とは合理的に考えることを重んじ、社会にはびこる偏見をなくそうとする考え方のことです。
それでは早速、啓蒙思想を唱えた歴史上の人物を見ていきましょう!
- ロック(イギリス)「統治論(市民政府二論)」
当時の絶対王政を批判し、社会契約や抵抗権を提唱した人物です。
アメリカ独立宣言やフランス人権宣言に影響を与えました。 - モンテスキュー(フランス)「法の精神」
ロックの考えを発展させて、三権分立を説いた人物です。 - ルソー(フランス)「社会契約論」
社会契約説を提唱し、直接民主制、人民主権を主張した人物です。
次に、啓蒙思想が影響与えた宣言や憲法を紹介します。
- 1776年 アメリカ独立宣言
イギリスに統治されていたアメリカの13の植民地による独立の宣言。 - 1789年 フランス人権宣言
フランス革命時に発表された、国民主権、自由・平等などの権利が書かれた宣言。 - 1919年 ワイマール憲法
第一次世界大戦後のドイツ革命後に定められた、初めて社会権にふれ、当時の世界で最も民主的な憲法。
2.日本国憲法の成立
さて、この章では日本国憲法成立までの歴史を紹介していきたいと思います。
1874年 「東洋のルソー」と評される中江兆民がルソーの「社会契約論」を翻訳した「民約訳解」を出しました。
1889年 板垣退助などによる自由民権運動に後押しを受け、大日本帝国憲法が発表されました。
1945年8月 ポツダム宣言を受け入れて無条件降伏し、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が設置されました。
1945年10月 GHQの指示により、新憲法の作成が進み始めます。
1946年11月3日 日本国憲法が公布されました。
1946年5月3日 日本国憲法が施行されました。
\小・中・高校生の勉強にお悩みのあるお子さん・保護者様へ/
\小・中・高校生の勉強にお悩みのある方へ/
3.日本国憲法の三大原則
前章の通り、日本国憲法は啓蒙思想が反映された憲法となっています。
テストにもよく出てくる三大原則とは何かを紹介していきます!
- 国民主権
政治の在り方を決める権利は、国民にあるという事。これまでの天皇主権を否定したのがポイントです。
前文:~ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
第1条:天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴てあつて~
→天皇は、内閣の助言と承認に基づいて、国事行為を行うと決められました。 - 基本的人権の尊重
人権とは、人が生まれながらにして持っている基本的な権利のことです。
思想・信教・集会・表現の自由や個人の平等などが定められています。
第11条:国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保証する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として~ - 平和主義
戦争と武力の行使を放棄すること。
第9条:~国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
4.平和主義
この章では平和主義に関して、詳しく見ていきたいと思います。
核兵器の唯一の被爆国である日本だからこそ提唱が出来た平和への条文です。
前文
~日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。~
第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。(=戦争の放棄)
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。(=戦力の不保持)
国の交戦権は、これを認めない(=交戦権の否認)
非核三原則
核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」という3つの原則
1951年 日米安全保証条約により、アメリカ軍が駐留
1954年 自衛隊が発足
政府の見解:戦力ではなく「自衛のための必要最小限度の実力」
国連平和維持活動(PKO)などで、海外派遣もしている
1972年 沖縄県が返還されたが今も多く基地が残っている。
\小・中・高校生の勉強にお悩みのあるお子さん・保護者様へ/
\小・中・高校生の勉強にお悩みのある方へ/
5.憲法改正の手続き
最後に憲法の改正をしようと思ったときにはどのようにして行われるかを紹介していきます。
①衆議院・参議院のそれぞれで、3分の2以上の賛成により、憲法の改正が発議される。
②国民投票において、有効投票の過半数の賛成をもって、改正案が承認される。
③承認された改正案は成立後、天皇が国民の名で交付する。
この3ステップの後、憲法が改正されます。
2007年に制定された国民投票法によって、国民投票の具体的な方法が定められたが、1946年の公布後一度も改正されていない。