【東京都】令和5年度/2023年度入学者高校入試選抜試験:数学の解説
東京都の2023年3月実施の令和5年度(2023年度)入学者の公立高校入試問題の解説をしています。
受験勉強において、過去問を解くことはとても効果的な勉強法です。ぜひ、受験までに一度挑戦し、問題の傾向を掴んでおきましょう。合わせて、対策などをたてられるととても良いですね。
また、過去問で苦手な点が見つかった場合は、そこを中心に試験日当日までにしっかりと対策しておきましょう。
大問1 小問集合
問題文
次の各問いに答えよ。
問1
$-8+6^2 \div 9$を計算せよ。
問2
$\frac{7a+b}{5}-\frac{4a-b}{3}$を計算せよ。
問3
$(\sqrt{6}-1)(2\sqrt{6}+9)$を計算せよ。
問4
一次方程式$4(x+8)=7x+5$を解け。
問5
連立方程式$2x+3y=1…①,8x+9y=7…②$を解け。
問6
二次方程式$2x^2-3x-6=0$を解け。
問7
次の【あ】【い】に当てはまる数字をそれぞれ答えよ。
袋の中に、赤玉が1個、白玉が1個、青玉が4個、合わせて6個の玉が入っている。
この袋の中から同時に2個の玉を取り出すとき、2個とも青玉である確率は、$\frac{【あ】}{【い】}$である。
ただし、どの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。
問8
次の【う】【え】に当てはまる数字をそれぞれ答えよ。
次の図1で、点Oは、線分ABを直径とする半円の中心である。
点Cは、弧AB上にある点で、点A、点Bのいずれにも一致しない。
点Dは、弧AC上にある点で、点A、点Cのいずれにも一致しない。
点Aと点C、点Aと点D、点Bと点C、点Bと点D、点Cと点Dをそれぞれ結ぶ。
∠BAC=20°、∠CBD=30°のとき、xで示した∠ACDの大きさは、【う】【え】度である。
問9
次の図2で、円Oと直線lは交わっていない。
円Oの周上にあり、直線lとの距離が最も長くなる点Pを、定規とコンパスを用いて作図によって求め、点Pの位置を示す文字Pもかけ。
ただし、作図に用いた線は消さないでおくこと。
解答・解説
問1 $-4$
計算の順序を間違えないようにしましょう。
$-8+36\div9=-8+4=-4$
問2 $\frac{a+8b}{15}$
通分をしてから求めます。
$\frac{3(7a+b)}{15}-\frac{5(4a-b)}{15}=\frac{21a+3b-20a+5b}{15}=\frac{a+8b}{15}$
問3 $3+7\sqrt{6}$
根号は2乗の形になると外に出すことができます。
$12+9\sqrt{6}-2\sqrt{6}-9=3+7\sqrt{6}$
問4 $9$
$4x+32=7x+5$
$-3x=-27$
$x=9$
問5 $x=2,y=-1$
①を3倍して加減法で求めます。
$6x-8x=3-7$
$-2x=-4$
$x=2$
これを①に代入して
$4+3y=1$
$y=-1$
問6 $\frac{3 \pm \sqrt{57}}{4}$
解の公式$x=\frac{-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$を用います。
$x=\frac{-(-3) \pm \sqrt{(-3)^2-4\times2\times(-6)}}{2\times2}=\frac{3 \pm \sqrt{57}}{4}$
問7 【あ】2【い】5
全通りは15通り、青玉だけでるのは6通りなので
$\frac{6}{15}=\frac{2}{5}$
問8 【う】4【え】0
弧ACに対する円周角より、∠CBD=∠CAD=30°
弧AB(直径)に対する円周角より、∠ADB=90°
弧ADに対する円周角より、∠ACD=∠ABD=x°
△ADBに注目すると、∠DAC+∠CAB+∠ADB+∠ABD=180°となるので
$30+20+90+x=180$
$x=40$
問9 下図参照
大問2 証明問題
問題文
Sさんのクラスでは、先生が示した問題をみんなで考えた。
次の各問いに答えよ。
【先生が示した問題】
a,bを正の数とし、a>bとする。
次の図1で、四角形ABCDは、1辺の長さがacmの正方形である。頂点Aと頂点C、頂点Bと頂点Dをそれぞれ結び、線分ACと線分BDの交点をEとする。
線分AE上にあり、頂点A、頂点Eのいずれにも一致しない点をFとする。
線分BE,線分CE,線分DE上にあり、EF=EG=EH=EIとなる点をそれぞれG,H,Iとし、点Fと点G、点Fと点I、点Gと点H、点Hと点Iをそれぞれ結ぶ。
線分AF,線分BG,線分CH,線分DIの中点をそれぞれP,Q,R,Sとし、点Pと点Q、点Pと点S、点Qと点R、点Rと点Sをそれぞれ結ぶ。
線分FGの長さをbcm、四角形PQRSの周りの長さをlcmとするとき、lをa,bを用いた式で表しなさい。
問1
【先生が示した問題】で、lの値をa,bを用いてl=【】cmと表すとき、【】に当てはまる式を、次のア~エのうちから選び、記号で答えよ。
ア:$2a+2b$
イ:$\frac{a+b}{2}$
ウ:$\frac{a-b}{2}$
エ:$2a-2b$
Sさんのグループは、【先生が示した問題】をもとにして、次の問題を考えた。
【Sさんのグループが作った問題】
a,bを正の数とし、a>bとする。
次の図2は、線分OA上にあり、点O、点Aのいずれにも一致しない点をB、線分ABの中点をMとし、線分OA、線分OB、線分OMをそれぞれ点Oを中心に反時計回りに90°回転移動させてできた図形である。
図2において、線分OAの長さをacm、線分OBの長さをbcm、線分OMを半径とするおうぎ形から、線分OBを半径とするおうぎ形を除いた残りの図形の面積をS㎠とするとき、S=(a-b)lとなることを確かめてみよう。
問2
【Sさんのグループが作った問題】でlをa,bを用いた式で表し、S=(a-b)lとなることを証明せよ。ただし、円周率はπとする。
解答・解説
問1 ア
台形ABGFで、次の図のように4点J,K,L,Mを作る。
$AB=a,FG=b$なので、
$AJ=\frac{AB-FG}{2}=\frac{a-b}{2}$
中点連結定理より$PL=\frac{1}{2}AJ=\frac{a-b}{4}$
以上より、
$PQ=PL+LM+MQ=\frac{a-b}{4}+b+\frac{a-b}{4}=\frac{a+b}{2}$
$l=4PQ=4\times\frac{a+b}{2}=2a+2b$
問2 下記参照
線分OMの長さは$\frac{a+b}{2}$なので、
$l=\frac{1}{4}\times2π\times\frac{a+b}{2}=\frac{1}{4}π(a+b)$
よって、
$(a-b)l=(a-b)\times\frac{1}{4}π(a+b)=\frac{1}{4}π(a+b)(a-b)…①$
線分OAを半径とするおうぎ形の面積は、$\frac{1}{4}πa^2$
線分OBを半径とするおうぎ形の面積は、$\frac{1}{4}πb^2$
よって、
$S=\frac{1}{4}πa^2-\frac{1}{4}πb^2=\frac{1}{4}π(a^2-b^2)=\frac{1}{4}π(a+b)(a-b)…②$
①、②より、$S=(a-b)l$
ご質問などお気軽にお問い合わせください。
大問3 一次関数
問題文
次の図1で、点Oは原点、点Aの座標$(3,-2)$であり、直線lは一次関数$y=\frac{1}{2}x+1$のグラフを表している。
直線lとx軸との交点をBとする。
直線l上にある点をPとし、2点A,Pを通る直線をmとする。
次の各問いに答えよ。
問1
点Pのy座標が-1のとき、点Pのx座標を、次のア~エのうちから選び、記号で答えよ。
ア:$-1$
イ:$-\frac{5}{2}$
ウ:$-3$
エ:$-4$
問2
次の①と②にあてはまる数を、下のア~エのうちから選び、記号で答えよ。
線分BPがy軸により二等分されるとき、直線mの式は、$y=①x+②$である。
①
ア:$-6$
イ:$-4$
ウ:$-3$
エ:$-\frac{5}{2}$
②
ア:$5$
イ:$\frac{11}{2}$
ウ:$7$
エ:$10$
問3
次の図2は、図1において、点Pのx座標が0より大きい数であるとき、y軸を対称の軸として点Pと線対称な点をQとし、点Aと点B、点Bと点Q、点Pと点Qをそれぞれ結んだ場合を表している。
△BPQの面積が△APBの面積の2倍であるとき、点Pのx座標を求めよ。
解答・解説
問1 エ
直線lの式に$y=-1$を代入すればよいので
$-1=\frac{1}{2}x+1$
$\frac{1}{2}x=-2$
$x=-4$
問2 ①イ ②エ
線分BPがy軸によって二等分されるためには、2点B,Pはy軸から等しい距離にあればよい。点Bのx座標は-2なので、Pのx座標は2である。よって、点Pの座標は問1と同様に求めると$P(2,2)$
これで点Aと点Pの座標が求まったので、mの式を$y=ax+b$として、それぞれの座標を代入し、連立方程式を解くと$a=-4,b=10$となるので、mの式は$y=-4x+10$となる。
問3 9
点Aを通り直線lに平行な直線とx軸との交点をA’とする。
AA’の式を$y=\frac{1}{2}x+c$とすると、
$-2=\frac{1}{2}\times3+c$
$c=-\frac{7}{2}$
A’のy座標は0なので、
$0=\frac{1}{2}x-\frac{7}{2}$
$x=7$
よって、$A'(7,0)$
ここで、PQ//A’Bより、△BPQ:△APB=PQ:A’B…①
点Pのx座標をtとすると、点Qのx座標は-tと表せる。
よって、$PQ=t-(-t)=2t,A’B=7-(-2)=9$
△BPQの面積は△APBの面積の2倍なので、
△BPQ:△APB=2:1…②
①、②より
$PQ:A’B=2t:9=2:1$
$t=9$
大問4 平面図形
問題文
次の図1で、四角形ABCDは、AD//BC,AB=DC,AD<BCの台形である。
点Pは、辺AB上にある点で、頂点A、頂点Bのいずれにも一致しない。
点Qは、辺BC上にある点で、頂点B、頂点Cのいずれにも一致しない。
頂点Aと点Q、頂点Dと点Pをそれぞれ結ぶ。
次の各問いに答えよ。
問1
図1において、AQ//DC,∠AQC=110°,∠APD=a°とするとき、∠ADPの大きさを表す式を、次のア~エのうちから選び、記号で答えよ。
ア:$(140-a)$度
イ:$(110-a)$度
ウ:$(70-a)$度
エ:$(40-a)$度
問2
次の図2は、図1において、頂点Aと頂点C、頂点Dと点Q、点Pと点Qをそれぞれ結び、線分ACと線分DPとの交点をR、線分ACと線分DQとの交点をSとし、AC//PQの場合を表している。
次の①、②に答えよ。
①△ASD∽△CSQであることを証明せよ。
②次の【お】【か】【き】に当てはまる数字をそれぞれ答えよ。
図2において、AP:PB=3:1、AD:QC=2:3のとき、△DRSの面積は、台形ABCDの面積の$\frac{【お】}{【か】【き】}$倍である。
解答・解説
問1 ウ
四角形AQDCは平行四辺形なので、∠QAC=180-110=70°
そして△ABQは二等辺三角形であり、∠AQB=180-∠AQC=180-110=70°となる。よって、∠BAQ=60°
△APDに注目すると、∠ADP=180-(∠APD+∠PAD)=180-(∠APD+∠PAQ+∠QAD)=(70-a)度
問2 ①下記参照 ②【お】1【か】3【き】0
①△ASDと△CSQにおいて
対頂角は等しいので、∠ASD=∠CSQ…①
AD//BCより、平行線の錯角は等しいので、
∠ADS=∠CQS…②
①、②より、2組の角がそれぞれ等しいので、
△ASD∽△CSQ
②△BACにおいて、PQ//ACより、
BQ:QC=BP:PA=1:3
AD:QC=2:3
よって、AD:BQ=2:1
AD:BC=AD:(BQ+QC)=2:4=1:2
△ASD∽△CSQより、DS:QS=AD:CQ=2:3
よって、DS:DQ=DS:(DS+SQ)=2:5
△DPQにおいて、RS//PQより、RS:PQ=2:5
RS=$\frac{2}{5}$PQ…①
△BCAにおいて、PQ:AC=BP:BA=BP:(BP+PA)=1:4
AC=4PQ…②
①、②より、RS:AC=$\frac{2}{5}$PQ:4PQ=1:10
△DRS:△DAC=1:10
よって、△DRS=$\frac{1}{10}$△DAC…③
また、△DAC:台形ABCD=△DAC:(△DAC+△BAC)=1:3
よって、台形ABCD=3△DAC…④
③、④より、△DRS:台形ABCD=$\frac{1}{10}$△DAC:3△DAC=1:30
これらより、△DRSの面積は、台形ABCDの面積の$\frac{1}{30}$倍
ご質問などお気軽にお問い合わせください。
大問5 空間図形
問題文
次の図1に示した立体A-BCDは、1辺の長さが6cmの正四面体である。
辺ACの中点をMとする。
点Pは、頂点Aを出発し、辺AB、辺BC上を毎秒1cmの速さで動き、12秒後に頂点Cに到着する。
点Qは、点Pが頂点Aを出発するのと同時に頂点Cを出発し、辺CD、辺DA上を点Pと同じ速さで動き、12秒後に頂点Aに到着する。
点Mと点P、点Mと点Qをそれぞれ結ぶ。
次の各問いに答えよ。
問1
次の【く】【け】に当てはまる数字をそれぞれ答えよ。
図1において、点Pが辺AB上にあるとき、MP+MQ=lcmとする。
lの値が最も小さくなるのは、点Pが頂点Aを出発してから$\frac{【く】}{【け】}$秒後である。
問2
次の【こ】【さ】に当てはまる数字をそれぞれ答えよ。
次の図2は、図1において、点Pが頂点Aを出発してから8秒後のとき、頂点Aと点P、点Pと点Qをそれぞれ結んだ場合を表している。
立体Q-APMの体積は、$【こ】\sqrt{【さ】}cm^3$である。
解答・解説
問1 【く】3 【け】2
lの値が最も小さくなるのは、AB⊥PQとなるとき。
△MAPは30°、60°、90°の直角三角形でAM=3より、
$AP=\frac{1}{2}AM=\frac{3}{2}$
問2 【こ】4 【さ】2
8秒後なので、BP=2、PC=4
ここで、△ABP:△ACP=1:2、△ABC:△ACP=3:2、△ABC=$\frac{3}{2}$△ACP…①
また、AM=CMより、△AMP=$\frac{1}{2}$△ACP…②
よって、①、②より
△AMP:△ABC=$\frac{1}{2}$△ACP:$\frac{3}{2}$△ACP=1:3
△ABC=$6\times3\sqrt{3}\times\frac{1}{2}=9\sqrt{3}$
△AMP=$\frac{1}{3}△ABC=3\sqrt{3}$
∠BACと∠ABCの二等分線の交点をIとする。
△AIMは30°、60°、90°の直角三角形になるので、
AI=$\frac{2}{\sqrt{3}}AM=\frac{2}{\sqrt{3}}\times3=2\sqrt{3}$
△DAIは∠I=90°より、
DI=$\sqrt{DA^2-AI^2}=\sqrt{6^2-(2\sqrt{3})^2=2\sqrt{6}}$
△DAIにおいて、QからIDに平行な直線をひきAIとの交点をRとすると
AQ:RQ=AD:ID
$4:RQ=6:2\sqrt{6}$
$RQ=\frac{4\sqrt{6}}{3}$
ここで、DI⊥△AMPより、RQ⊥△AMP
つまり、RQは立体Q-APMの高さと考えてよい。
よって、その体積は
$\frac{1}{3}\times△AMP\times RQ=\frac{1}{3}\times3\sqrt{3}\times\frac{4\sqrt{6}}{3}=4\sqrt{2}$
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