【兵庫県】平成31年度/2019年度入学者高校入試選抜試験:数学の解説
兵庫県の2019年3月実施の平成31年度(2019年度)入学者の公立高校入試問題の解説をしています。
受験勉強において、過去問を解くことはとても効果的な勉強法です。ぜひ、受験までに一度挑戦し、問題の傾向を掴んでおきましょう。合わせて、対策などをたてられるととても良いですね。
また、過去問で苦手な点が見つかった場合は、そこを中心に試験日当日までにしっかりと対策しておきましょう。
兵庫県の数学は全体的に難易度が高く、独特な問題が出題される傾向があります。
時間がかかる問題が多く、一度嵌ると時間が足りなくなってしまうということも多くあるかなと思います。
大問1:小問集合
問1:正負の数
正負の数は異符号の場合、「-」になるので(-5)-2=-7
問2:文字式の計算
文字式の計算は割り算にすると分かりやすい。
(-6xy²)÷(-3xy)=2y
問3:平方根の計算
ポイントは二つ。
①平方根は2乗の時に外に出ることができる。
②平方根の加減式は√の中身が同じ時に計算ができる。
以上を踏まえると。
5√3-√27=5√3-√3^3=5√3-3√3=2√3
問4:二次方程式
今回のケースは因数分解をすれば求められる。
足して「-3」、掛けて「-4」のペアを探せばよいので
x²-3x-4=0
(x-4)(x+1)=0
x=-1,+4
問5:比例と反比例
反比例の比例定数aはa=x×yで求められるので、(2,-3)を代入し、
a=2×(-3)=-6
問6:平行線と角
上図のように、l,mに平行な直線nを引く。
同位角より青文字の70°が得られ、150°の場所に注目し、赤字の30°が得られる。
さらに同じ同位角からxの下部も30°と分かるので
70+30=100よって、100°が答え。
問7:空間図形+三平方
図2にある、直角三角形か底面の円の半径が求まる。
三平方の定理より√(3²-2²)=√5となる。
円錐の面積は「底面積×高さ÷3」で求まるので
(√5)²×π×2÷3=10π/3となる。
問8:平面図形
円の中心は弦の垂直二等分線上にあり、作図の際は2本の減の垂直二等分線を作図し、その交点が円の中心となる。
よって答えはウ。
大問2:関数
一見、一次関数の問題に見えるが、燃料%と走行距離の関係に注目して解いていくと、簡単に導くことが出来る。
問1
グラフより、Aモードで燃料を20%使うまで走ったことが分かる。
Aモードは100%で200km走行できるので、燃料:走行距離の比で考えると
100:200=20:?
?=200×20÷100=40kmとなる。
問2
グラフより、Bモードは70%の燃料で210km走行できることが分かる。
問1と同様に燃料:走行距離の比で考えると
70:210=100:?
?=210×100÷70=300kmとなる
問3
今までと同様に考えてみる。
まず、Aモードで160km走ったときに使用した燃料は
100:200=?:160
?=160×100÷200=80(%)の燃料を使うことが分かる。
次にBモードで残り20%燃料で走行できる距離は
100:300=20:?
?=20×300÷100=60(km)進むことが分かる。
Aモードは時速60km、Bモードは時速40kmなので
Aモードで走行した時間は160÷60=8/3(時間)すなわち、2時間40分
Bモードで走行した時間は60÷40=3/2(時間)すなわち、1時間30分
よって、答えは4時間10分となる。
問4
時間を最短で行くにはなるべくAモードでたくさんの距離を走る必要がある。
1%あたりの燃料で走れる距離はAモードが200÷100=2(km)、Bモードが300÷100=3(km)である。
Aモードでxkm走行すると定義すると、Bモードでは(250-x)km走ることになる。
燃料は合わせて100%消費するはずなので、
x/2+(250-x)/3=100
の方程式が成り立つ。
これを解くと
3x+2(250-x)=600
x=100
となるので、最短時間で行くときAモードで走行する距離は100kmとなる。
大問3:二次関数とグラフ
今回こそ正真正銘のグラフ問題です。問3の②までは難易度が低いのでここまで完全解答できることを指標に対策をしていきましょう。
問1
グラフ問題の鉄則ですが、まずは分かる座標と直線を全て求めておきましょう。
今回の場合は点A,B,C、直線ABが分かります。見ていきましょう。
まず、点A,Bはx座標が与えられていることと、y=(1/2)x²上にあることから
点A:y=(1/2)×(-4)²=8 よって点A(-4,8)
点B:y=(1/2)×(2)²=2 よって点B(2,2)
となります。
2点が分かったので直線を求めることが出来るようになり、直線ABはy=ax+bに上記2点を代入し、連立方程式を解くと
直線AB:y=-x+4と求めることができます。
さらに点Cはy軸上の点であり、直線ABのy切片になるので、点C(0,4)となります。
以上をまとめると以下の図のようになります。
それでは直線OBを求めていきましょう。
原点Oを通ることから、一次関数の中でも単純な比例関数だと分かります。
傾きを求めるだけなので「傾き=yの増加量分/xの増加量」で求めてみましょう。
直線OBの傾き=2-0/2-0=1となるので、答えは1となります。
ついでにOCの式はy=xであると分かります。これも記入しておきましょう。
問2
グラフ上の三角形の面積は、y軸とx軸に着目すると簡単です。通常「底辺×高さ÷2」で求められる面積ですが、
グラフ上では「x座標の距離×y座標の距離÷2」で求めることができます。
上図の通り、三角形OACの面積は4×4÷2=8となります。
問3①
x軸上にある点Dの座標を(0,y)とすると、
三角形BCDの面積は(y-4)×2÷2となる、この面積が三角形OACの面積と同じになることから、
(y-4)×2÷2=8となる。
この方程式を解くとy=12となる。よって点Dの座標は(0,12)となる。ここまでをまとめると下図のようになる。
問3②
今回の問題は難しいので先に図を載せておきました。
この問題の一番のポイントは「三角形ABDと三角形EBDの面積はADとEDの比になる」ということです。
早速やっていきましょう。
まず、素材となる面積を求めていきたいと思います。
三角形ABDの面積は{2-(-4)}×(12-4)÷2=24
三角形EBDの面積は四角形OADBの半分となります。さらに「四角形OABDの面積=三角形ABDの面積+三角形OABの面積」となります。
三角形OABの面積は{2-(-4)}×(4-0)÷2=12となるので
四角形OABDの面積は24+12=36となる。よって三角形EBDの面積は36÷2=18
これで三角形ABDと三角形EBDの面積が分かったのでADとEDの比が分かります。
AD:ED=24:18=4:3
よって、(EDのx座標の差)=(ADのx座標の差)×3÷4=4×3÷4=3となります。
このことより、点Eのx座標は-3と分かります。
さらに点A(-4,8)と点D(0,12)を通る直線ADの式を求めるとy=x+12となるので点Eの座標を代入するとy座標が分かり
点E(-3,9)となります。
ご質問などお気軽にお問い合わせください。
大問4:平面図形
(2)までは簡単です。(3)がやや難、(4)が難といった感じです。
円の知識と三平方の知識が必要になります。
問1
上図より、∠AOBは∠ACDの中心角になります。
三角形ABCは正三角形なので一つの角度が60°です。中心角は円周角の2倍なので
∠AOB=2×∠ACD=2×60°=120°
問2
三平方の定理を利用する。三角形OABに注目すると下図のようになる。
三角形ABCは正三角形なので、中心Oからの垂線はABの垂直二等分線となる。
この時、60°・30°・90°の三角形が出来るので、求めたい円の半径をrとすると
r:3=2:√3
r=3×2÷√3=2√3となる。
問3
三角形ABQと三角形CBPに注目し、問題文を照らし合わせると上図のようになる。
このことから三角形PBQが正三角形と分かるので(ⅰ)の答えはウ。
(ⅱ)は問題文に共通する部分はエの∠CBQとなる。
問4
三角形ABQの面積が最大になるときは上図のように三角形CBPの面積が最大になるときである。
この時、BCを底辺としたときの高さが最大となるので、PがAO上にある。
求める青色の部分の面積はOBで二等分されているので下半分だけを考える。
その為、おうぎ形OPBと赤色の面積の和を求めればよい。
問3より、∠Q(O)BPの角度は60°なので、おうぎ形OPBは半径2√3で中心角60°のおうぎ形だと分かるので
(2√3)²×π×60/360=2πとなる。
赤色の面積はおうぎ形OBPから三角形OBPを引いた面積になる。
三角形OBPの面積はOP×BN÷2=2√3×3÷2=3√3となるので
赤色の面積は2π-3√3となる。
よってOBで二等分されている面積は
2π+2π-3√3=4π-3√3となるので答えは
8π-6√3となる。
大問5:確率
一見非常に難しい問題ですが、トリックに気づくと完全解答まで可能です。
問1
5枚のカードから3つを選ぶことを考えていけばよい。
1つ目は5種類の中から、2つ目は4種類の中から、3つ目は3種類の中から選ぶことになるので
①の答えは5×4×3=60通りとなる。
②のケースは2つ目に取り出す数を「2」で固定すればよいので、1つ目は4種類の中から、2つ目は固定、3つ目は3種類の中から選ぶことになるので、4×1×3=12通りとなる。
よって確率は12/60=1/5となる。
③は全てに5枚のカードの平均値が来ることに気づくと簡単。
「2」「3」「4」「7」「9」の平均値は5なので、答えは555となる
問2
問1の③と同様に解けば簡単。
平均値が111小さいということは444になる。
すなわち、4つの平均が4になるときを考えていけばよい。
2が裏側の場合、「3」「4」「7」「9」が残り、平均は5.75の為、不適。
3が裏側の場合、「2」「4」「7」「9」が残り、平均は5.5の為、不適。
4が裏側の場合、「2」「3」「7」「9」が残り、平均は5.25の為、不適。
7が裏側の場合、「2」「3」「4」「9」が残り、平均は4.5の為、不適。
9が裏側の場合、「2」「3」「4」「7」が残り、平均は4となるので、裏側のカードは9である。
大問6:穴埋め問題
兵庫県特有の問題です。多少のヒラメキは必要ですが、問題文に沿って行けば問題なく回答できます。
①~④は図に直接書き込んでいけばよい。答えは以下。
①9、②7、③14、④11
⑤も文意に沿えば簡単。
「8個の三角形の内角の和を合計すると、もとの正方形の内角の和と、内部にとった3個の点の周りの360°ずつを合計したものに等しくなります。」の1文を参考にすると
『x個の三角形の内角の和「180x°」は、正n角形の内角の和「180(n-2)°」と、内部に取ったm個の点の周りの360°ずつを合計した「360m°」ものに等しくなる。』ので
180x=180(n-2)+360m
これを解くと、x=2m+n+2となる。
⑥は少し思考力が必要です。「辺を共有していないx個の三角形の辺の数を合計すると3xです。」に加えて考えていきます。
上記の1文に加え、正n角形の辺と重なっていない辺は(3x-n)本であり、1本ごとに2つの隣り合った三角形と共有されているので、実際の本数は(3x-n)/2本となる。
よってy=(3x-n)/2に⑤の答えを代入して解くと
y=3m+n-3となる。
ここまで解けると⑦は簡単です。
与えられたm=19,n=20を代入するとy=74となる。
5人が順番に線を引くので74÷5=14あまり4となり、Dが最後を引くことが分かる。
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