【大阪府】令和4年度/2022年度入学者高校入試選抜試験:理科の解説

大阪府の2022年3月実施の令和4年度(2022年度)入学者の公立高校入試問題の解説をしています。
受験勉強において、過去問を解くことはとても効果的な勉強法です。ぜひ、受験までに一度挑戦し、問題の傾向を掴んでおきましょう。合わせて、対策などをたてられるととても良いですね。
また、過去問で苦手な点が見つかった場合は、そこを中心に試験日当日までにしっかりと対策しておきましょう。

大阪府の理科問題は、難易度としては標準。 生物・物理・化学・地学がバランスよく出題されていますので、不得意分野を持っている場合は、しっかりと克服しておくと吉です。

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大問1:生物

問題

生態系における食物連鎖に興味をもったFさんは、生物や生態系について調べ、考察した。また、メダカの飼育を通じて、生物の間における物質の移動について考えた。後の問いに答えなさい。

【Fさんが生物や生態系について調べたこと】
・動物は、食物の取り方や生活の仕方によって、特徴のある体のつくりになっている。
・生態系において、光合成を行っている植物はⒶ生産者と呼ばれており、植物を食べる草食動物および動物を食べる肉食動物は、消費者と呼ばれている。
・Ⓑ生産生物の数量(生物量)を比べると、消費者の中では草食動物の数量が最も大きい。
・生態系において成り立っている生物同士の数量的なつり合いは、Ⓒ外来種(外来生物)によって崩されて元に戻らなくなってしまうことがある。

(1)ライオンとシマウマは、いずれも背骨を持つ胎生の恒温動物である。
①ライオンとシマウマは何類に分類される動物か。次のア~エから一つ選び、記号を○で囲みなさい。
ア:ホニュウ類  イ:ハチュウ類  ウ:両生類  エ:鳥類

②図Ⅰは、頭上から見たライオンとシマウマの水平方向の視野を表した模式図であり、Rは右目で見ることができる範囲、Lは左目で見ることができる範囲をそれぞれ表している。図Ⅰについて述べた次の文中のⓐ [ ]ⓑ[ ]から適切なものをそれぞれ一つずつ選び、記号を○で囲みなさい。

シマウマよりライオンの方が、RとLの重なっている範囲がⓐ [ア:小さい イ:大きい]。このため、ライオンの方が、ⓑ[ウ:一度に見渡すことのできる エ:一度に立体的に見ることのできる]

(2)下線部Ⓐについて述べた次の文中の① [ ]②[ ]から適切なものをそれぞれ一つずつ選び、記号を○で囲みなさい。
生産者は、さまざまな生物の栄養分となる① [ア:有機物 イ:無機物]を②[ウ:自ら作り出す エ:他の生物から取り出す]はたらきをしている。

(3)下線部Ⓑについて、図Ⅱは、陸上のある生態系における年ごとの肉食動物Aと草食動物Bの個体数の変化を表したグラフである。肉食動物Aと草食動物Bは食べる・食べられるの関係にあり、1977年までは、肉食動物Aと草食動物Bの個体数のつり合いはとれていた。

①1978年から、肉食動物Aは虫Xの被害を受け始めた。虫Xが肉食動物Aの体に取り付いて増殖すると、肉食動物Aは体が弱って食物を食べることができなくなる。次の文中のⓒ[ ]ⓓ[ ]から適切なものをそれぞれ一つずつ選び、記号を○で囲みなさい。
虫Xによる肉食動物Aへの影響は1978年以降しばらく続き、1980年から1985年にかけては、ⓒ[ア:草食動物Bが増加したことが原因で、肉食動物Aが減少 イ:肉食動物Aが減少したことが原因で、草食動物Bが増加]していったと考えられる。1985年には、草食動物Bの個体数は肉食動物Aの個体数のおよそⓓ[ウ:4倍 エ:16倍]になった。

②次のア~エのうち、1985年から1987年にかけて、草食動物Bの個体数が減少した理由として考えられるものはどれか。最も適しているものを一つ選び、記号を○で囲みなさい。
ア:肉食動物Aの個体数が急激に増えたために、草食動物Bの食料となる植物が不足したから。
イ:肉食動物Aの個体数が急激に減ったために、草食動物Bの食料となる植物が増加したから。
ウ:草食動物Bの個体数が多すぎたために、草食動物Bの食料となる植物が不足したから。
エ:草食動物Bの個体数が少なすぎたために、草食動物Bの食料となる植物が増加したから。

(4)下線部Ⓒについて述べた次の文中の□に入れるのに適している語を書きなさい。
外来種とは、もともとその地域に生息していなかったが、□の活動によって、他の地域から移ってきて、野生化し、定着した生物のことである。

【メダカの飼育】
Fさんは、水を入れた水槽に、別の飼っているメダカの水槽の小石を移し、オオカナダモを植え付けた。これは日当たりのよい窓際に数日置いた後、メダカを入れ、人工の餌を与えて飼育した。

(5)メダカを入れる前、オオカナダモの葉の表面に小さな泡の粒がたくさん付いていた。これらの小さな泡の粒を集めた気体を調べると、酸素が多く含まれていることが分かった。次のア~エのうち、酸素の性質として適しているものを一つ選び、記号を○で囲みなさい。
ア:石灰水を白く濁らせる。
イ:刺激臭があり、水に溶けて酸性を示す。
ウ:水に溶けてアルカリ性を示す。
エ:火のついた線香を入れると、線香が激しく燃える。

(6)Fさんは、先生から「メダカのふんなどで水が濁るのを防ぐためには、掃除のときに、小石の汚れを完全に落としてはいけない。」と助言をもらった。次の文は、助言の根拠を述べたものである。文中の①[ ]から適切なものを一つ選び、記号を○で囲みなさい。また、生態系における生物のはたらきをふまえ、【 ② 】に入れるのに適している語を書きなさい。
 小石の汚れに見える部分には、メダカのふんなどから養分を得る①[ア:細菌類 イ:コケ植物]のような、【 ② 】者と呼ばれる生物が含まれている。これらの生物が取り除かれてしまうと。有機物を無機物に【 ② 】することが出来なくなり、水槽の水が濁る。

(7)自然界では、食物連鎖や、呼吸及び光合成によって、炭素が有機物や無機物に形を変えながら生物の間を繰り返し移動し、生態系を循環している。次の文は、水槽中のオオカナダモとメダカとの間での炭素の移動について述べたものである。あとのア~カのうち、文中の【 ⓔ 】~【 ⓖ 】に入れるのに適している語の組み合わせはどれか。一つ選び、記号を○で囲いなさい。ただし、水槽中にはオオカナダモを食べる生物はおらず、メダカは人工の餌のみを食べているものとする。
 水槽中のオオカナダモからメダカに炭素は移動して【 ⓔ 】と考えられ、メダカからオオカナダモに炭素は移動して【 ⓕ 】と考えられる。したがって、この水槽中ではオオカナダモとメダカの間を繰り返し移動している炭素は存在【 ⓖ 】と考えられる。

ア:ⓔいる  ⓕいる  ⓖする
イ:ⓔいる  ⓕいる  ⓖしない
ウ:ⓔいる  ⓕいる  ⓖする
エ:ⓔいる  ⓕいない  ⓖしない
オ:ⓔいない  ⓕいる  ⓖする
カ:ⓔいない  ⓕいる  ⓖしない

解答・解説

【解答】
(1)①ア ②ⓐイ ⓑエ
(2)①ア ②ウ
(3)①ⓒイ ⓓエ ②ウ
(4)人間
(5)エ
(6)①ア ②分解
(7)カ

【解説】
(3)①ⓒ虫Xの被害によって肉食動物Aが減少したことで、肉食動物Aに食べられる個体数が減少した草食動物Bが増加したと考えられる。
(3)①ⓓ1985年の肉食動物Aの個体数は約7500頭、草食動物Bの個体数は約120000頭より、120000/7500=16倍
(6)コケ植物は生産者である。
(7)メダカは人工の餌のみを食べているので、オオカナダモからメダカに炭素は移動していない。メダカの呼吸によって放出された二酸化炭素はオオカナダモの光合成に使われる。メダカ→オオカナダモという炭素の移動はあるが、オオカナダモ→メダカという炭素の移動はないので、炭素は繰り返し移動していない。

大問2:化学

問題

ふたをした鍋で水を加熱すると、やがて沸騰が始まって鍋のふたが持ち上がり、カタカタと音を立てて動いた。鍋のふたは、加熱を続けている間は動き続け、加熱をやめると速やかに止まった。このことに興味をもったRさんは、水について調べ、Y先生と一緒に実験および考察を行った。次の問いに答えなさい。

(1)水は、水素と酸素とが反応してできる化合物の一つである。
①水素と酸素とが反応して水ができる化学変化の化学反応式は、2H₂+O₂→2H₂Oで表される。次のア~エのうち、この化学変化をモデルで表したものとして最も適しているものを一つ選び、記号を○で囲みなさい。ただし、水素原子1個を◎、酸素原子1個を●で表すものとする。
ア:◎+●→◎●
イ:◎、◎+●→◎●◎
ウ:◎◎+●、●→◎●、◎●
エ:◎◎、◎◎+●●→◎●◎、◎●◎

②次の文中の【 ⓐ 】に入れるのに適している語を書きなさい。
 窒素や酸素などからなる空気のように、いくつかの物質が混ざり合ったものが混合物と呼ばれるのに対して、水のように1種類の物質からなるものは【 ⓐ 】と呼ばれる。【 ⓐ 】の沸点は、物質の種類によって決まった温度となる。

【実験】図Ⅰのように火の大きさを一定にしたガスバーナーで沸騰石をいれた水を加熱した。図Ⅱは、加熱時間と水温の関係を表したグラフである。

(2)図Ⅰ中に示した沸騰石について、次のア~エのうち、沸騰石を入れる目的として適しているものを一つ選び、記号を○で囲みなさい。
ア:水が突然沸騰するのを防ぐ。
イ:水が蒸発するのを防ぐ。
ウ:水が空気と反応するのを防ぐ。
エ:水が酸素と水素に分解するのを防ぐ。

【ビーカーの中の水の様子と、図ⅡからRさんが読み取ったこと】
・加熱を開始してから5分までは、加熱時間に対する水温の上昇の割合は一定であった。
・ガスバーナーによる水への熱の加え方が変わらないのに、加熱を開始してから5分が過ぎると、気泡の発生とともに加熱時間に対する水温の上昇の割合は徐々に小さくなっていった。加熱を開始してから6分が過ぎると、水中のいたるところで大きな気泡が発生するようになり、水温は100℃のまま上昇しなかった。

【Rさんが考えたこと1】
・加熱時間に対する水温の上昇の割合が小さくなっていき、100℃になると水温が一定になったのは、気泡の発生が原因ではないだろうか。

【Y先生の助言1】
・ガスバーナーの火の大きさが一定なので、水に加えられる1分あたりの熱量も一定であると考えてよい。
・水の状態が液体から気体へと変化するためには、熱が必要である。
・水に加えられた熱量は、水温の上昇に利用された熱量と、水の状態変化に利用された熱量との総量に等しいと考えてよい。

(3)次の文は、実験において、加熱を開始して5分が過ぎてから6分までの1分間で見られた、水温の上昇のようすから分かることについて、【Y先生の助言1】をもとにRさんがまとめたものである。文中の□に入れるのに適している内容を【Y先生の助言1】をふまえ、「熱量」の語を用いて書きなさい。
 実験では、水に加えられる1分あたりの熱量はつねに一定であったといえる。したがって、加熱を開始して5分が過ぎてから6分までの1分間で、加熱時間に対する水温の上昇の割合が徐々に小さくなっていったのは、時間とともに□が増加していったためであると考えられる。

【Rさんが考えたこと2】
ふたをした鍋の中で水が沸騰していたとき、水蒸気が鍋のふたを持ち上げたのではないだろうか。

【Y先生の助言2】

・図Ⅲの模式図のように、Ⓐ液体から気体に状態が変化すると、分子同士の間隔は大きくなって、物質の体積は増加する。
・加熱を続け、水が沸騰しているとき、水蒸気が鍋のふたを持ち上げる仕事をしている。このとき、Ⓑエネルギーの変換が起こっており、このしくみはⒸ発電に利用されている。

(4)下線部Ⓐについて、15gの水を加熱し、すべて100℃の水蒸気にしたとき、その水蒸気の体積は何Lになると考えられるか、求めなさい。ただし、100℃の水蒸気1Lあたりの質量は0.60gであるとする。

(5)次の文は、【Y先生の助言2】をもとにRさんがまとめたものである。あとのア~エのうち、文中の【 ⓑ 】【 ⓒ 】に入れるのに適している語の組み合わせはどれか。一つ選び、記号を○で囲みなさい。
 水の【 ⓑ 】が減少し、減少した分と同じだけ、気体の水の【 ⓑ 】が増加する。このとき、液体の水の【 ⓒ 】の減少量よりも、気体の水の【 ⓒ 】の増加量が著しく大きくなるために、鍋のふたは持ち上がったと考えられる。
 ア:ⓑ 体積 ⓒ質量 イ:ⓑ 密度 ⓒ質量 ウ:ⓑ 質量 ⓒ体積 エ:ⓑ 密度 ⓒ体積

(6)下線部Ⓑについて述べた次の文中のⓓ[ ]ⓔ[ ]から適切なものをそれぞれ一つずつ選び、記号を○で囲みなさい。
 エネルギーが変換されると、変換されて得られた目的のエネルギーの量は、変換前のエネルギーの総量よりもⓓ[ア:多く イ:少なく]なる。これは、変換にともなって、目的外のエネルギーにも変換されてしまうためである。目的外のエネルギーの量と目的のエネルギーの量との総量は、変換前のエネルギーの総量と比べてⓔ[ウ:多くなる エ:変わらない オ:少なくなる]。

(7)下線部Ⓒについて、図Ⅳは火力発電のしくみを模式的に表したものである。火力発電所では、ボイラーで水を沸騰させて、発電を行っている。あとのア~カのうち、火力発電について述べた文中の【 ⓕ 】~【 ⓗ 】に入れるのに適している語の組み合わせはどれか。一つ選び、記号を○で囲みなさい。

 火力発電では、ボイラーにおいて、燃料のもつ【 ⓕ 】エネルギーを【 ⓖ 】エネルギーに変換し、水の状態を液体から気体に変化させる。気体になった水はタービンを回す仕事をする。回転するタービンの【 ⓗ 】エネルギーは発電機で電気エネルギーに変換される。
ア:ⓕ運動  ⓖ化学  ⓗ熱
イ:ⓕ運動  ⓖ熱  ⓗ化学
ウ:ⓕ化学  ⓖ運動  ⓗ熱
エ:ⓕ化学  ⓖ熱  ⓗ運動
オ:ⓕ熱  ⓖ運動  ⓗ化学
カ:ⓕ熱  ⓖ化学  ⓗ運動

解答・解説

【解答】
(1)①エ ②純粋な物質(純物質)
(2)ア
(3)(例)水の状態変化に利用された熱量
(4)25L
(5)ウ
(6)ⓓイ  ⓔエ
(7)エ

【解説】
(4)100℃の水蒸気1Lあたりの質量は0.60gなので、100℃の水蒸気15gの体積は1×15/0.60=25L
(5)液体から気体に状態が変化しても質量は変化しないが、体積は増加するので、密度は小さくなる。

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大問3:地学

問題

Gさんは、太陽だけでなく、惑星や太陽以外の恒星も月に隠される現象が起きることに興味を持ち、E先生と一緒に天体の動きについて調べることにした。次の問いに答えなさい。ただし、日本から観測した月の左は東側、右は西側である。

(1)地球から観測して、地球、月、太陽が一直線上に並ぶとき、太陽が月にかくされる現象は何と呼ばれているか、書きなさい。

【惑星や恒星が月にかくされる現象について調べたこと】

  • 2021年には水星、金星、火星が月に隠される現象がそれぞれ2回ずつ、合計6回起こった。
  • 6回のうち大阪から観測できる条件にあったのは、金星と火星の1回ずつであったが、いずれも昼間の時間帯であった。
  • 2021年11月8日の金星が月にかくされる現象は、大阪からの観測では、13時44分ごろから14時26分ごろの南南東の空で起きた。
  • 2021年11月8日の金星、地球、太陽の公転軌道上における位置関係は図Ⅰのようになる。
  • 金星が月にかくされるとき、金星は月の東側から月のうしろに隠れ始め、月の西側から出てくる。
  • 太陽やその他の恒星が月に隠されるときも、月の東側から月のうしろに隠れ始め、西側から出てくる。

(2)次のア~エの文は、水星、金星、火星について、月にかくされる現象を大阪から観測する場合に、日本時間の真夜中(23時から1時の間とする)に観測できることがあるかについて述べたものである。内容が正しいものを一つ選び、記号を○で囲みなさい。
ア:水星のみ、真夜中に月にかくされる現象を観測できることがある。
イ:金星のみ、真夜中に月にかくされる現象を観測できることがある。
ウ:火星のみ、真夜中に月にかくされる現象を観測できることがある。
エ:いずれも、真夜中に月にかくされる現象を観測できることがある。

(3)次の文中の①[ ]②[ ]から適切なものをそれぞれ一つずつ選び、記号を○で囲みなさい。
 2021年11月8日ごろ、金星は①[ア:よいの明星 イ:明けの明星]として②[ウ:東の空 エ:西の空]に明るく輝くようすが、望遠鏡などを使わなくても観察できた。

(4)図Ⅰの位置関係で金星が月にかくされたとき、月はどのような見かけの形をしていたと考えられるか。次のア~エから最も適しているものを一つ選び、記号を○で囲みなさい。

【GさんとE先生の会話】
Gさん:太陽やその他の恒星が月にかくされるとき、月の東側から月のうしろに隠れ始め、西側から出てくるのは何故でしょうか。
E先生:では、まず恒星の日周運動について考えましょう。大阪で南の空に観測できる星座は、東の空からのぼり西の空に沈むことを毎日繰り返していますね。また、北の空に観測できる星座は、北極星付近を中心に反時計回りに回転していますね。このように観測できるのは何故でしょうか。
Gさん:地球が【 ⓐ 】しているからです。【 ⓐ 】による地球の回転にともない、太陽以外の恒星は、互いの位置関係を変えずに地球の周りをまわっているように観測できます。
E先生:恒星の動きについて、夏の星座であるさそり座の恒星アンタレスに注目しましょう。この星が真南の空に観測されるのは7月29日の20時ごろですが、1ヶ月後ではどうでしょうか。
Gさん:1か月後には2時間も早い18時ごろに南中します。
E先生:そうですね。そのアンタレスの日周運動を、Ⓐ太陽の動きと比較して考えましょう。太陽の南中時刻は毎日12時ごろになることから、どのようなことが考えられるでしょうか。
Gさん:アンタレスのような星座をつくる恒星が、日周運動で一周するのにかかる時間は24時間よりも短いです。このため、太陽との位置関係は少しずつ変化します。
E先生:ちなみに、アンタレスと太陽の観測される方向が最も近くなるのはいつごろか分かりますか。
Gさん:アンタレスと太陽がともに12時ごろに南中する【 ⓑ 】月末ごろになると考えられます。
E先生:その通りです。それでは最後に月の動きについて考えましょう。月が南中する時刻は、毎日どのように変化するでしょうか。
Gさん:Ⓑ月が南中する時刻は毎日約50分程度遅くなります。
E先生:太陽以外の恒星、太陽、月がそれぞれ見かけ上地球の周りを一周するのにかかる時間が異なることから、Gさんの疑問の答えが分かりますね。
Gさん:はい。一周するのにかかる時間から考えると、月は星座の間を【 ⓒ 】しているように見えるからです。その速さは太陽よりも速いため、太陽も月の東側から月のうしろに隠れ始め、西側から出てくると考えられます。

(5)上の文中の【 ⓐ 】に入れるのに適している語を書きなさい。

(6)下線部Ⓐについて、季節により太陽の南中高度は変化する。大阪から観測した時に太陽の南中高度が最も高くなるのはいつか。次のア~エから一つ選び、記号を○で囲みなさい。
 ア:春分
 イ:夏至
 ウ:秋分
 エ:冬至

(7)上の文中の【 ⓑ 】に入れるのに適している数を書きなさい。

(8)下線部Ⓑについて、図Ⅱは、2022年3月19日から31日まで、大阪において、朝6時に月が観測できる位置を示したものである。次の文中①[ ]②[ ]から適切なものをそれぞれ一つずつ選び、記号を○で囲みなさい。

 月は、日の出後も観測できる。3月19日から数日間、朝6時に月を観測すると、日ごとに月の見かけの形は①[ア:満ちていく イ:欠けていく]ことが確認できる。また、25日には南の空に半月状の月が観測できるが、そのとき輝いている面は、②[ウ:東側 エ:西側]である。

(9)上の文中の【 ⓒ 】に入れるのに適している内容を、「東」「西」の2語を用いて簡潔に書きなさい。

解答・解説

【解答】
(1)日食(日蝕)
(2)ウ
(3)①ア ②エ
(4)イ
(5) 自転
(6)イ
(7)11
(8)①イ ②ウ
(9)(例)西から東に移動

【解説】
(2)水星と金星は地球より太陽の近くを公転しているので真夜中に観測することはできない。
(4)金星が月にかくされる現象は14時ごろに南南東の空で起きたから、そのとき太陽は南東の方向にあり、月の方向と太陽の方向は45度ほどしか離れていないため、月の形は三日月のような形だと考えられる。また図Ⅰから考えても、金星は太陽の左(東)に45度ほど離れて見えるので、この方向に月があれば三日月のような形に見える。
(7)太陽以外の恒星が南中する時刻は1か月に2時間早くなる。アンタレスが南中するのは7月29日の20時ごろなので、12時頃に南中するのは7月29日の1×(20-12)/2=4か月後の11月末頃。
(8)朝6時ごろに西の空で観測されるのは満月なので、日ごとに月の見かけの形は欠けていく。25日に観測できるのは下弦の月なので、月の左(東側)が輝いている。
(9)太陽が月の東側から月の後ろに隠れ始め、西側から出てくるので、月は星座の間を太陽よりも速く西から東へ移動しているように見える。

大問4:物理

問題

有人潜水調査船「しんかい6500」 が深海に潜るときや海面に戻るときには、浮力と重力の差を利用する。このことを知ったSさんは、ばねを用いて浮力と重力について調べる実験を行い、「しんかい6500」の下降・上昇について考察を行った。後の問いに答えなさい。ただし、実験1~3で用いたばねはすべて同じばねで、ばねの重さや体積、ばねにはたらく浮力の大きさは考えないものとする。また、質量100gの物体にはたらく重力の大きさは1Nとする。

【実験1】
図Ⅰのように、ばねにおもりをつるし、ばねに加えた力の大きさとばねの長さとの関係を調べた。

[実験1のまとめ]
測定結果をグラフに表すと図Ⅱのようになった。ばねの長さから、ばねに力を加えていないときの長さをひいて、ばねののびを求めると、Ⓐばねののびは、ばねに加えた力の大きさに比例していることが分かった。

(1)質量250gの物体にはたらく重力の大きさは何Nか、求めなさい。

(2)ばねに力を加えていないときのばねの長さは、図Ⅱより読み取ると何cmであると考えられるか。答えは整数で書くこと。

(3)下線部Ⓐについて、この関係は何と呼ばれる法則か、書きなさい。

【実験2】
図Ⅲのように、高さの調節できる台に水槽を置き、円柱A(重さ2.0N、高さ6.0cm、底面積20cm²)を、円柱の底面と水面がつねに平行になるようにしながら、ばねにつるした。このとき、台の高さを調節することで、水面から円柱の底面までの長さとばねの長さとの関係を調べた。

[実験2のまとめ]

  • 測定結果
水面から円柱の底面までの長さ[cm]02.04.06.08.010.0
ばねの長さ[cm]312723191919
  • 浮力の大きさは、円柱Aにはたらく重力の大きさからばねに加えた力の大きさをひくと求めることができる。
  • 円柱の一部分が水中にあるとき、水面から円柱の底面までの長さが2.0cm増えるごとに、ばねの長さが【 ⓐ 】cmずつ短くなるので、浮力の大きさは0.4Nずつ大きくなる。
  • 円柱の底面と水面が平行なので、円柱の一部分が水中にあるとき、水面から円柱の底面までの長さと、円柱の水中にある部分の体積は比例する。よって、浮力の大きさは物体の水中にある部分の体積に比例すると考えられる。
  • 円柱Aが完全に水中にあるときは、深さに関わらず、浮力の大きさは【 ⓑ 】Nである。

(4)上の文中の【 ⓐ 】【 ⓑ 】に入れるのに適している数をそれぞれ求めなさい。
【Sさんが「しんかい6500」について調べたこと】

  • 乗員3名を乗せて、水深6500mまで潜ることができる有人潜水調査船である。
  • 乗員3名が乗った状態では海に浮くように設計されており、深海に潜るときには鉄のおもりをを複数個船体に取り付ける必要がある。
  • 下降をはじめると、やがてⒷ下降の速さは一定となり、6500m潜るのに2時間以上かかる。
  • 深海での調査を終え、海面に戻るときには、船体に取り付けていた鉄のおもりをすべて切り離して上昇する。

(5)下線部Ⓑについて、次の文中の①[ ]②[ ]から適切なものをそれぞれ一つずつ選び、記号を○で囲みなさい。
 鉄のおもりを取り付けた「しんかい6500」が下降しているとき、浮力と重力の大きさに差があるとにもかかわらず、下降する速さは一定となる。これは、三つ目の力として「しんかい6500」の動きをさまたげようとする力がはたらき、三つの力の合力が0になっている為と考えられる。図Ⅳを「しんかい6500」が一定の速さで深海に向かって下降している途中のようすを示しているものとすると、「しんかい6500」の動きをさまたげようとする力の向きは、図Ⅳ中の①[ア:㋐の向き イ:㋑の向き]であり、②[ウ:浮力 エ:重力]の向きと同じと考えられる。

【実験3】

図Ⅲの実験装置を使い、円柱A(重さ2.0N、高さ6.0cm、底面積20cm²)を、図Ⅴに示した円柱B(重さ1.0N、高さ6.0cm、底面積20cm²)や、円柱C(重さ0.3N、高さ1.0cm、底面積20cm²)に替えて、実験2と同じように実験を行った。

[円柱Bに替えたときの結果]

  • 水面から円柱の底面までの長さが5.0cm以下のときには、水面から円柱の底面までの長さが長くなるにつれ、実験2のときと同じ割合で浮力の大きさは大きくなった。
  • 水面から円柱の底面までの長さが5.0cmになったところで、ばねののびはなくなり、それ以上沈むことはなかった。

[円柱Cに替えたときの結果]

  • 円柱Cが完全に水中にあるときのばねの長さは12cmであった。

(6)次の文は、Sさんが実験3で用いた円柱Bを「しんかい6500」に見立て、円柱Cを鉄のおもりに見立てて考察したものである。文中の【 ① 】~【 ③ 】に入れるのに適している数をそれぞれ求めなさい。答えはそれぞれ小数第1位まで書くこと。ただし、円柱Cは複数個あり、複数個同時に円柱Bの下部に取り付けて一体の物体とすることが可能である。
 ばねをはずした円柱Bが水面に浮かんで静止しているとき、円柱Bにはたらいている重力の大きさは1.0Nであり、浮力の大きさは【 ① 】Nである。
 次に、図Ⅳのように円柱Bに円柱Cを3個取り付けると、一体となった物体全体にはたらく重力の大きさは【 ② 】Nとなり、一体となった物体がすべて水中にあるときの浮力の大きさは【 ③ 】Nとなる。したがって、一体となった物体は下降を続ける。

(7)「しんかい6500」が海底近くの一定の深さにとどまり調査を行うためには、潜るために船体に取り付けていた鉄のおもりを、具体的にどのようにすることで、浮力と重力の関係をどのようにしていると考えられるか、書きなさい。ただし、調査のときの水平方向や上下方向へのわずかな移動にともなう力については、考えないものとする。

解答・解説

【解答】
(1)2.5N
(2)11cm
(3)フックの法則(弾性の法則)
(4)ⓐ4  ⓑ1.2
(5)①ア ②ウ
(6)①1.0 ②1.9 ③1.8
(7)(例)鉄のおもりの一部を切り離すことで、浮力と重力が釣り合うようにしている。

【解説】
(1)1×250/100=2.5N
(4) ⓑ水面から円柱の底面までの長さが2.0cm増えるごとに、浮力の大きさは0.4Nずつ大きくなるので、0.4×6.0/2.0=1.2N
(5)水の抵抗が「しんかい6500」の運動の向きとは逆向きにはたらく。
(6)①水面に浮かんでいるので、円柱Bにはたらいている浮力の大きさは重力の大きさと等しくなる。
(6)②1.0+0.30×3=1.9N
(6)③図Ⅳの円柱全体の高さは6.0+1.0×3=9.0cm、浮力の大きさは0.4×9.0/2.0=1.8N
(7)鉄のおもりを複数個取り付けたままでは重力の方が大きいために下降し、すべて切り離すと浮力の方が大きくなるために上昇する。よって、おもりの一部を切り離す。

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