【三重県】令和5年度/2023年度入学者高校入試選抜試験:理科
三重県の2023年3月実施の令和5年度(2023年度)入学者の公立高校入試問題の解説をしています。
受験勉強において、過去問を解くことはとても効果的な勉強法です。ぜひ、受験までに一度挑戦し、問題の傾向を掴んでおきましょう。合わせて、対策などをたてられるととても良いですね。
また、過去問で苦手な点が見つかった場合は、そこを中心に試験日当日までにしっかりと対策しておきましょう。
大問1
問題文
次の実験について、あとの各問いに答えなさい。
(実験) 唾液によるデンプンの変化を調べるために、次の①〜③の順序で実験を行った。
① 試験管Aに0.5%デンプン容液を10cm³と、水でうすめた唾液を2cm³入れた。
② 図1のように、試験管Aを約40°Cの湯に10分間入れた後、試験管Aの液を試験管Bと試験管Cに、半分ずつとり分けた。
③ 図2のように、②でとり分けた試験管Bにヨウ素溶液を2,3滴加えて色の変化を見た。また、試験管Cにベネジクト溶液を少量加え、ある操作をした後、色の変化を見た。
表は、ヨウ素溶液とベネジクト溶液それぞれに対する反応をまとめたものである。
(1)重液にふくまれるアミラーゼのように、消化液にふくまれ、食物を分解して吸収されやすい物質に変えるはたらきをする物質を何というか、その名称を書きなさい。
(2) 下線部の操作について、試験管Cの中の物質とベネジクト溶液を反応させるためにはどのような操作が必要か、簡単に書きなさい。
(3) 試験管B,Cで見られたデンプンの変化が、唾液のはたらきによるものであることを確認するためには、対照実験が必要である。唾液のはたらきによるものであることを確認するための対照実験において、①で試験管に入れる液として最も適当なものはどれか、次のア〜エから1つ選び、その記号を書きなさい。また,②.③と同様の操作を行い、ヨウ素溶液とベネジクト溶液それぞれに対する反応を調べた結果として最も適当なものはどれか、次のオ〜クから1つ選び、その記号を書きなさい。
ア. 0.5%デンプン溶液を10cm³入れる。
イ. 0.5%デンプン溶液を12cm³入れる。
ウ. 0.5%デンプン溶液を10cm³と、水を2cm³入れる。
エ. 水を10cm³と、水で薄めた唾液を2cm³入れる。
解答・解説
(1)消化酵素
消化酵素は、消化に使われる酵素のこと。消化の後に栄養の吸収に繋がる。
(2)例:加熱する。
ベネジクト液は加熱すると反応が起こります。
(3)(試験管に入れる液)ウ (結果)オ
対照実験では、調べたい条件だけを変え、その他の条件は同じにする必要があるため、今回は液体の有無以外の条件をそろえる必要がある。
デンプンを分解する唾液が含まれていないため、ヨウ素液は青紫色に変色する。
唾液がないため、ブドウ糖は発生しないので、ベネジクト液は反応しない。
大問2
問題文
あとの各問いに答えなさい。
(1) 雲のでき方について調べるために、図のように、フラスコの内部をぬるま湯でぬらし、線香のけむりを少量入れ、ピストンを押しこんだ状態の大型注射器をフラスコにつないだ。大型注射器のピストンを引いたり、押したりしたとき、フラスコ内のようすと温度変化を調べたところ、ピストンを引くとフラスコ内が白くくもり、温度が変化した。
次の文は、フラスコ内のようすと温度変化、雲のでき方についてまとめたものである。文中の( X ), ( Y )に入る言葉はそれぞれ何か、下のア〜エから最も適当なものを1つ選び、その記号を書きなさい。また、(あ)に入る最も適当な言葉は何か、漢字で書きなさい。
ピストンを引くと、フラスコ内が白くくもったことから、空気は( X )すると温度が( Y )、水滴ができることがわかった。自然界では、空気は上算すると、上空の( あ )が低いため、( X )して温度が( Y )。温度が露点に達すると空気中の水蒸気の一部が水滴になり、雲ができる。
(2) 温度20°Cの空気のかたまりが、高さ0mの地表から上昇すると、高さ800mで雲ができはじめた。表は、温度と飽和水蒸気量の関係を示したものである。高さ0mにおける空気のかたまりの湿度は何%であったと考えられるか、求めなさい。ただし、答えは小数第1位を四捨五入し、整数で求めなさい。また、雲ができはじめるまでは空気が100m上昇するごとに温度は1°C変化するものとし、空気のかたまりが上昇しても、空気1m³あたりにふくまれる水蒸気量は変わらないものとする。
解答・解説
(1)XY:イ あ:気圧
ピストンを引くのでフラスコ内の空気が少なくなる。つまり、フラスコ内にぎゅうぎゅうに詰められた空気が少し自由になるということ。よってXは膨張。
(2)62%
雲が出来始めるまでは、空気が100m上昇するごとに温度は1℃下がるので、雲が出来始めた時の空気の温度(露点)は20-8=12℃ したがって、高さ0mにおける空気の塊に含まれていた水蒸気量は10.7g/m³とわかる。よって、湿度は10.7/17.3×100=61.8%≒62%
大問3
問題文
次の実験について、あとの問いに答えなさい。
(実験)音の大きさや高さと弦の振動の関係を調べるために、次の➀、②の実験を行った。
① 図1のように,モノコードの弦のAB間をはじいて、音を聞いた。1回目は、弦のAB間の長さを34cmにしてはじいた。2回目は、ことじを移動させて、弦のAB間の長さを47cmにして、弦の張り、弦をはじく強さは変えずにはじいた。
② 図2のように、弦をはじいたときに出た音をマイクロホンで拾って、音の波形をコンピュータで観察した。
図3は、コンピュータの画面に表示された音の波形を模式的に表したものである。
(1) ①について、次の(a),(b)の各問いに答えなさい。
(a) 次の文は、弦をはじいたときの音を、ヒトがどのように受け取るかを説明したものである。文中の( X )に入る最も適当な言葉は何か、書きなさい。
弦の振動が空気を振動させ、その振動が空気中を次々と伝わり、耳の中にある( X )で空気の振動をとらえる。
(b) 2回目は、1回目と比べて、音の高さや振動数はどのように変化するか、次のア〜エから最も適当なものを1つ選び、その記号を書きなさい。
ア.音の高さは高くなり、振動数は多くなった。
イ.音の高さは高くなり、振動数は少なくなった。
ウ.音の高さは低くなり、振動数は多くなった。
エ.音の高さは低くなり、振動数は少なくなった。
(2) ②について、次の(a), (b)の各問いに答えなさい。
(a) 図3の横軸の1目盛りが0.001秒を表しているとき、この音の振動数は何Hzか、求めなさい。
(b) 弦をはじいたときに出た音は、音の高さは変わらず、音の大きさが小さくなっていき、やがて聞こえなくなった。図4は、音が出てから聞こえなくなるまでの、コンピュータで観察された音の波形の変化を表している。⒴に入る波形はどれか,下のア〜エから最も適当なものを1つ選び、その記号を書きなさい。ただし、音の波形を表した図3と図4の縦幅、横軸の1目盛りが表す値は同じものとする。
解答・解説
(1) (a)鼓膜 (b)エ
鼓膜とは、耳の奥にあり、中耳と外耳を隔てる薄い膜のことである。
弦の長さが長くなると、振動数が少なくなり、音は低くなる。
(2) (a) 250Hz
振動数は原画1秒間に振動する回数である。図3より、4目盛り(0.004秒)で1回振動していることから、1/0.004=250[Hz]
(b) ウ
音の高さは変わらず、音の大きさが小さくなったとあるので、振動数が図3と同じで、振幅が図3よりも小さいウを選ぶ。
大問4
問題文
次の実験について、あとの問いに答えなさい。
(実験)水とエタノールの混合物から、エタノールを取り出せるか調べるために、次の➀、②の順序で実験を行った。
➀図1のように、水20cm³とエタノール5cm³の混合物を枝付きフラスコに入れ、弱火で加熱して、枝つきフラスコから出てきた液体を、試験管A、試験管B試験管Cの順に約3cm³ずつ集めた。
②試験管A、B、Cに集めた液体をそれぞれ蒸発皿に入れ、図2の用にマッチの火を近づけた。表は、マッチの火を近づけたときのようすをまとめたものである。
(1)試験管A、B、C に集めた液体を比べたとき、水の割合が最も高い液体は、それぞれ土の試験管に集めた液体か、試験管A、B、Cの記号で書きなさい。
(2) 水とエタノールの混合物を加熱したときの温度変化を示したグラフはどれか、次のア〜エから最も適当なものを1つ選び、その記号を書きなさい。
(3) 次の文は、液体の混合物を加熱して、目的の物質をとり出す方法について説明したものである。文中の(あ)、(い)に入る最も適当な言葉はそれぞれ何か、書きなさい。
液体を加熱して沸騰させ、出てくる蒸気である気体を冷やして再び液体にして集める方法を( あ )という。(あ)を利用すると、混合物中の物質の(い)のちがいにより、目的の物質をとり出すことができる。
解答・解説
(1) (水の割合が最も高い) C (エタノールの割合が最も高い) A
水とエタノールの混合物を加熱すると、沸点低いエタノールが先に気体となって出てくる。また、エタノールには引火性がある。
(2)エ
混合物は沸点や融点がはっきりしないので、イのような水平な部分のあるグラフにはならない。また、エタノール沸点は約78℃、水の沸点が100℃であるとこからエを選ぶ。
100℃に達していないウも適切ではない。
(3)あ.蒸留 い.沸点
エタノール沸点は約78℃、水の沸点が100℃であるため、蒸留によって物質を分けることができる。
ご質問などお気軽にお問い合わせください。
大問5
問題文
次の文を読んで、あとの各問いに答えなさい。
あすかさんは、季節によって見える星座が変化することに興味をもち、星座を観測し、季節によって見える星座が変化することについて、インターネットや資料集を用いて調べた。そして、観測したことや調べたことを次の①、②のようすにレポートにまとめた。
【あすかさんのレポートの一部】
① 星座の観測
5月1日の午前0時に、三重県のある地点で、南の空に見えたてんびん座を観測した。観測したてんびん座を、周りの風景も入れて図1のように模式的に示した。1か月後、同じ時刻に同じ地点で星座を観測すると,てんびん座は5月1日の午前0時に観測した位置から移動して見え,5月1日の午前0時にてんびん座を観測した位置には異なる星座が見えた。その後、1か月ごとに、同じ時刻に同じ地点で南の空に見えた星座を観測した。
② 季節によって見える星座の変化と地球の公転
季節によって見える星座が変化することについて考えるために、太陽、地球、星座の位置関係と、地球の公転について調べた。地球から見た太陽は、星座の星の位置を基準にすると、地球の公転によって星座の中を動いていくように見えることがわかった。この星座の中の太陽の通り道付近にある星座の位置を調べ、図2のように模式的にまとめた。A〜Dは、それぞれ3月1日、6月1日、9月1日、12月1日の公転軌道上の地球の位置を示している。
(1) ①について、次の(a)~(c)の各問いに答えなさい。
(a)星座の星や太陽のようにみずから光をはなつ天体を何というか、その名称を書きなさい。
(b) 次の文は、観測した星座の1年間の見かけの動きについて、説明したものである。文中の( あ )に入る方位と、( い )に入る数は何か、下のア〜エから最も適当な組み合わせを1つ選び、その記号を書きなさい。
また、( う )に入る最も適当な言葉は何か、漢字で書きなさい。
南の空に見えた星座は、1か月後の同じ時刻には、( あ )に約( い )移動して見え、1年後の同じ時刻には、また同じ位置に見える。これは、地球が太陽を中心にして、公転軌道上を1年かかって360°移動するからである。このような。地球の公転による星の1年間の見かけの動きを、星座の星の(う)という。
ア. あ-東 い-15
イ. あ-東 い-30
ウ. あ-西 い-15
エ. あ-西 い-30
(c) ある日の午後8時にやぎ座が、図3のウの位置に南中して見えた。この日から2か月前の午後10時には、やぎ座がどの位置に見えたか、図3のア〜オから最も適当なものを1つ選び、その記号を書きなさい。ただし、図3の点線のうち、となり合う線の間の角度はすべて30°とする。
(2) ①. ②について、次の(a)~(d)の各問いに答えなさい。
(a) 地球から見た太陽は、星座の星の位置を基準にすると、地球の公転によって星座の中を動いていくように見える。この星座の中の太陽の通り道を何というか、その名称を書きなさい。
(b) あすかさんが,5月1日の午前0時にてんびん座を観測した後,1か月ごとに,午前0時に同じ地点で南の空に見えた星座を,6月1日から順に並べるとどうなるか,次のア〜エから最も適当なものを1つ選び、その記号を書きなさい。
ア. おとめ座→しし座→かに座
イ. しし座→ふたご座→おひつじ座
ウ. さそり座→いて座→やぎ座
エ. いて座→みずがめ座→おひつじ座
(c) 地球が図2のDの位置にあるとき、さそり座は一日中見ることができない。一日中見ることができないのはなぜか、その理由を、「さそり座は」に続いて、「方向」という言葉を使って、簡単に書きなさい。
(d) ①と同じ地点で観測したとき、観測した星座の見え方について、正しく述べたものはどれか、次のア〜エから最も適当なものを1つ選び、その記号を書きなさい。
ア. 3月1日には、午前2時の東の空に、おうし座が見える。
イ. 6月1日には、午前2時の東の空に、おとめ座が見える。
ウ. 9月1日には、午前2時の西の空に、てんびん座が見える。
エ.12月1日には、午前2時の西の空に、うお座が見える。
解答・解説
(1) (a) 恒星
(b) あい、エ う、年周運動
(c) イ
(a)例えば、月は一見恒星のように思えるが、太陽の光を反射して光っているように見えるので恒星ではない。
(b)南の空の星は1か月で約30°西へ動いているように見えるので、2か月前の午後8時にはアの位置に見える。また、南の空の星は1時間で約15°西へ動いているように見えるので、2時間後の午後10時にはイの位置に見える。
(c)南の空の星は1か月で約30°西へ動いているように見えることが分かれば、1か月前はその逆を考えれば良い。
(2) (a)黄道
(b)ウ
(c)例:(さそり座は)太陽と同じ方向にあるから。
(d)エ
(a)太陽が1年で動く道筋を黄道という。
(b)図2を参考に考える。てんびん座を出発点に地球の公転に沿って見える星座が変わる。
(c)星座は基本的に昼に見ることができない。
(d)5月1日午前0時にてんびん座が南中しているので、3月1日午前2時にはおとめ座が南中し、東の空にはいて座が、西の空にはふたご座が見える。以下、同様にみていくと、12月1日午前2時にはふたご座が南中し、西の空にはうお座が見えるというエが正しい。
大問6
問題文
次の観察や実験について、あとの各問いに答えなさい。
植物の葉や茎のつくりとはたらきについて調べるために、次の①、②の観察や実験を行った。
① アジサイの葉の表面を観察するために、葉の表側と裏側の表面のプレパラートをつくり、図1のように、頭微鏡のステージにプレパラートをのせ、アジサイの葉の表面を観察した。図2、図3は、それぞれ顕微鏡で観察したアジサイの葉の表側と裏側の表面をスケッチしたものである。
② 次の図4のように,アジサイの葉の枚数や大きさがほぼ同じ枝を4本用意し、何も処理しないものをA,すべての葉の表側全体にワセリンをぬったものをB,すべての葉の裏側全体にワセリンをぬったものをC,すべての葉の両側全体にワセリンをぬったものをDとし,水を入れたメスシリンダーに入れ、メスシリンダーの水面に少量の油を入れた。水面の位置に印をつけ、電子てんびんでそれぞれの質量を測定した後、明るく風通しのよいところに2時間置いて、再び水面の位置を調べ、それぞれの質量を測定し、水の減少量を求めた。表は、A〜Dにおける、水の減少量をまとめたものである。また、水面の位置は水の減少量に比例して下がっていた。ただし、葉にぬったワセリンは、ぬった部分からの蒸散をおさえることができ、塗らなかった部分からの蒸散には影響を与えないものとする。
(1) ①について、次の(a),(b)の各問いに答えなさい。
(a) 顕微鏡でアジサイの葉の表面を観察するとき,対物レンズを低倍率のものから高倍率のものにかえると、視野の明るさと、レンズを通して見える葉の範囲が変わった。対物レンズを低倍率のものから高倍率のものにかえると,視野の明るさと,レンズを通して見える葉の範囲はそれぞれどのように変わるか、次のア〜エから最も適当なものを1つ選び、その記号を書きなさい。
(b) 図3に示したXは、2つの三日月形の細で囲まれたすきまで、水蒸気の出口、酸素や二酸化炭素の出入り口としての役割を果たしている。図3のXを何というか、その名称を書きなさい。
(2) ②について、次の(a)~(e)の各問いに答えなさい。
(a)メスシリンダーの水面に油を入れたのはなぜか、その理由を簡単に書きなさい。
(b) 図5、図6は、それぞれアジサイの茎と葉の断面を模式的に表したものである。茎の切り口から吸収された水が通る管は、図5、図6のP〜Sのうちどれか、次のア〜エから最も適当な組み合わせを1つ選び、その記号を書きなさい。また、茎の切り口から吸収された水が通る。雑管束の一部の管を何というか、その名称を漢字で書きなさい。
ア.PとR
イ.PとS
ウ.QとR
エ.QとS
(c) 次の文は、表にまとめた水の減少量から、蒸散と吸水の関係について考察したものである。文中の( あ ), ( い )に入る言葉はそれぞれ何か、あとのア〜エから最も適当な組み合わせを1つ選び、その記号を書きなさい。
アジサイの葉の裏側にワセリンをぬったCと比べて、ワセリンを全くぬらなかったAや,表側にワセリンをぬったBの方が、水の減少量が( あ )なった。
このことから、アジサイでは主に葉の( い )でさかんに蒸散が行われており、蒸散が行われると吸水が起こることがわかる。
ア.あー多く いー表側
イ.あー多く いー裏側
ウ.あー少なく いー表側
エ.あー少なく いー裏側
(d)この実験におけるアジサイの葉の裏側からの蒸散量は何gか、求めなさい。ただし、蒸散量は水の減少量と等しいものとする。
(e)表の中の⒴に入る数字は何か、次のア~エから最も適切なものを1つ選び、その記号を書きなさい。
ア.0.5
イ.0.7
ウ.2.9
エ.5.3
解答・解説
(1) (a) エ (b) 気孔
(a) 対物レンズの倍率を上げると、視野は狭く、暗くなる。
(b) 2つの三日月形の細で囲まれたすきまを孔辺細胞という。
(2) (a) 例:水が水面から蒸発するのを防ぐため(b) (記号) ウ (名称) 道管(c) イ (d) 3.6g(e) ア
(a) 植物からの蒸発量のみを計測するために行う。
(b) A~Dにおける蒸散箇所はそれぞれ次の通り。
A・・・葉の表側・裏側・葉以外(の部分)
B・・・葉の裏側・葉以外
C・・・葉の表側・葉以外
D・・・葉以外
(c) AやBに比べてCの水の減少量が少なくなったのは、葉の裏側の気孔がワセリンによってふさがれたからである。
(d) 葉の裏側からの蒸散量=A一Cより,48-1.2=3.6 [g]
(e) 葉以外からの蒸散量=B一葉の裏側からの蒸散量より,4.1-3.6=0.5[g]
大問7
問題文
次の実験について、あとの各問いに答えなさい。
(実験) 銅が酸素と結びつく変化と酸化銅から酸素をとり除く変化について調べるために、次の①、②の実験を行った。
➀(目的) 銅と酸素が結びついて酸化銅ができるときの、銅の質量と酸素の質量との関係について調べる。
(方法)1.40gの鍋の粉末をステンレス皿にうすく広げ、図1のようにガスバーナーでステンレス皿ごと一定時間加熱した。加熱をやめて、ステンレス皿全体をじゅうぶんに冷ましてから、電子てんびんでステンレス皿全体の質量を測定した。
測定後、ステンレス皿の中の物質をよくかき混ぜてからうすく広げて、ふたたび加熱し、冷ましてから質量を測定する操作を、質量が増えることなく一定になるまでくり返した。加熱後の物質の質量は、測定したステンレス皿全体の質量からステンレス皿の質量を引いて求めた。
(結果) 加熱回数と加熱後の物質の質量をまとめると、表のようになった。
②
(目的) 酸化鍋から酸素をとり除く変化について調べる。
(方法)図2のように、試験管aに1.33gの酸化銅と0.10gの炭素の粉末の混合物を入れて、ガスバーナーで加熱し、発生した気体を試験管bの石灰水に通した。
反応が終わった後、ガラス管を石灰水から引きぬき、ガスバーナーの火を消した。その後、図3のようにすぐに目玉クリップでゴム管を閉じた。試験管aをじゅうぶんに冷ましてから、試験管aの中に残った物質をとり出して調べた。
(結果) 石灰水が白くにごった。試験管aの中に残った物質は、赤色をしていた。
(1)➀について、次の(a)~(c)の各問いに答えなさい。
(a) 鍋と酸素が結びついてできる酸化銅は何色か、次のア〜エから最も適当なものを1つ選び、その記号を書きなさい。
ア.緑色
イ.白色
ウ.黒色
エ.銀色
(b) 銅と酸素が結びついて酸化銅ができるとき、銅と酸素の質量の比はどうなるか、最も簡単な整数の比で表しなさい。
(c) 銅の粉末の加熱回数が2回のとき、加熱後の物質の中に残っている、酸素と結びつかなかった銅の質量は何か、求めなさい。
(2) ②について、次の(a)~(c)の各問いに答えなさい。ただし、試験管aの中では、酸化銅と炭素の粉末との反応以外は起こらないものとする。
(a) 下線部の操作を行うのはなぜか、その理由を「試験管aに」に続けて、簡単に書きなさい。
(b) 次の文は、実験の結果についての、あかりさんと先生の会話文である。このことについて、下の(ⅰ)(ⅱ)の各問いに答えなさい。
先生:実験の結果から、どのような化学変化が起こったのか、考えてみましょう。まず、この実験で何ができたと考えられますか。
あかり:石灰水が白くにごったことから、発生した気体は二酸化炭素だとわかります。また、試験管aに残った物質が赤色だったことから、銅ができたと考えられます。
先生:そのとおりです。では、どのような化学変化によって、二酸化炭素や銅ができたのでしょうか。
あかり:炭素は、酸化銅から酸素を奪いとり、二酸化炭素になりました。また、酸化銅は、炭素によって酸素をとり除かれ、銅になりました。つまり、炭素は酸化され、酸化銅は(あ)されました。
先生:そうですね、よく整理できています。最後に、炭素と銅の性質を、酸素との反応に注目して比べると、何かわかることはありますか。
あかり:炭素を用いて、酸化銅から酸素をとり除くことができたことから、炭素は、銅よりも( い )性質であると考えられます。
先生:はい、そのとおりです。この実験で起こった化学変化について、まとめることができましたね。
(ⅰ) 文中(あ)に入る、酸化鍋に起こった化学変化を何というか、最も適当な言葉を書きなさい。
(ⅱ)文中(い)に入る、銅と比べたこの炭素の性質は何か、簡単に書きなさい。
(c) 酸化銅と炭素の粉末の混合物を加熱したときに起きた化学変化を、化学反応式で表すとどうなるか、 書きなさい。ただし、酸化銅は、銅と酸素の原子の数の比が1:1で結びついているものとする。
解答・解説
(1) (a) ウ (b) 4 :1 (c) 0.32g
(a) 酸化銅とは、言い換えれば錆びた銅のことである。錆は焦げたような色をしている。
(b) 結果の表から、銅1.40gを完全に加熱すると1.75gの酸化銅が出来ることがわかる。この時銅に結びついた酸素の質量は1.75ー1.40=0.35 [g]。よって、銅と酸素の質量の比は
銅:酸素=1.40:0.35=4:1となる。
(c) 加熱回数が2回の時、銅と結びついた酸素の質量は1.67-1.40 = 0.27 [g]。(b)の答えから、銅に結びつく酸素の割合は[銅:酸素=4:1]とわかっている。今回銅に結びついた酸素の質量は0.27 [g]なので、銅と酸素の比率に当てはめて、4:1=x:0.27 x=1.08[g]となる。銅全体の質量1.40gから酸素と結びついた銅1.08gを引いて答えは0.32g。
(2)
(a) (例) (試験管aに) 空気が吸い込まれるのを防ぐため。
(b)(ⅰ)還元 (ⅱ)(例1)酸素と結びつきやすい (例2)酸化されやすい
(c)2CuO+C→2Cu+CO₂
(a) 還元して銅を酸化する前に戻したのに、また空気が流れ込めば再び酸化が起きてしまう。
(b)(ⅰ)酸化物から酸素を取り除くことを還元という。
(ⅱ)炭素は酸化されやすいので、酸化に必要な酸素を酸化銅から奪う。
(c) 還元の反応式なので、出発点は酸化銅(CuO)と炭素(C)から。
反応後、CO₂が発生するので反応前よりOの数が1つ増えてしまう。CuO の数を2つにすることでOの数が2つになり反応の前後でOの数が合う。CuOの数が2つになったことで今度はCuの数が1つ増えてしまう。反応後のCuの数を2つにすることでCuの数も反応の前後でそろう。
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