【奈良県】令和2年度/2020年度入学者高校入試選抜試験:理科の解説
奈良県の2020年3月実施の令和2年度(2020年度)入学者の公立高校入試問題の解説をしています。
受験勉強において、過去問を解くことはとても効果的な勉強法です。ぜひ、受験までに一度挑戦し、問題の傾向を掴んでおきましょう。合わせて、対策などをたてられるととても良いですね。
また、過去問で苦手な点が見つかった場合は、そこを中心に試験日当日までにしっかりと対策しておきましょう。
奈良県の理科は記述式の問題が多く出題されます。大問の数は5,6ほどあり、生物・化学・物理・化学の各分野から必ず一つは出題されます。
難易度としては難です。満点を取る為には理科への深い知識が必要になってくると思います。
大問1:化学
燃料電池システムについてまとめたものを見て(1)・(2)の問いに答える問題です。
(1):水素と酸素が反応して水が出来る化学変化を化学反応式で書く問題です。
【・答え「2H₂+O₂→2H₂O 」】
(2)図1は従来の火力発電について、図2は家庭用燃料電池システムについて、それぞれ発電に用いた燃料がもつエネルギーの移り変わりを模式的に表したものをみて、①・②の問いに答える問題です。
(2)①:図1において、送電中に損失する電気エネルギーは、主にどのようなエネルギーに変わることで失われるか適切なものをア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「エ」】
送電中に失われるエネルギーは熱エネルギーである。
(2)②:図2において、利用される電気エネルギーが、消費電力が40Wの照明器具を連続して10分間使用できる電気エネルギーの量であるとき、利用される熱エネルギーの量は34200Jであるとき、Xに当てはまる数を書く問題です。
【・答え「57 」】
熱量(J)=電力(w)×時間より、
J=40(w)×(60(s)×10)=24000(J)
よって、34200:24000=x :40 x=57
大問2:物理
物体にはたらく力について調べるために行った実験1~3をみて、(1)~(4)の問いに答える問題です。
(1):実験1で用いたばねをを使って、質量110gの物体をつるしたときのばねののびは何cmになると考えられるか値を求める問題です。
【・答え「5.5cm」】
表1より、(20(g)×4):4.0(cm)=110(g):x(cm)
x=5.5 cm
(2):実験2で、ばねののびが6.0cmのとき電子天秤の値は40gを示した。この時の計量皿が物体Aの底面から受けた圧力の大きさは何Paを求め、物体Aの底面のすべてが電子天秤の計量皿に接してからばねののびがなくなるまでの間の、ばねの伸びと電子天秤の示す値との関係を述べたものとして適切なものをア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「160Pa、ア 」】
圧力(Pa)=面を垂直におす力(N)÷力がはたらく面積(m²)より、 Pa=0.4(N)÷[0.05(m)×0.05(m)]=160Pa
(3):実験3で糸1,2がそれぞれ結び目を引く力を合成し、その合力を回答欄に矢印で表す問題です。
【・答え「下図参照」】
(4):図4は斜張橋と呼ばれる橋を模式的に表したものである。図5のようにケーブルa,bが橋げたを引く様子に着目した時、図6のように塔をより高くし、ケーブルをより高い位置から張ると、ケーブルa,bがそれぞれ橋げたを引く力の大きさはどのように変化するかを簡潔に記述する問題です。
【・答え「例:ケーブルa、bの間の角度がそれぞれ小さくなるので、橋げたを引くちからも小さくなる」】
実験3の、表2より、角度が小さくなるほどばねののびが小さくなっている。つまり、角度が小さくなるほど物体がばねを引く力は小さくなるという事がわかる。
大問3:生物
遺伝の規則性を調べるために、エンドウを用いて行った実験1,2を見て、(1)~(5)の問いに答える問題です。
(1):エンドウの花粉は、受粉したのちに花粉管をのばす。花粉管の中を移動する生殖細胞を何というか名称を書く問題です。
【・答え「精細胞」】
(2):実験1でできた孫の丸い種子がもつ遺伝子の組み合わせとして考えられるものを全て書く問題です。
【・答え「AA、Aa」】
丸い種子のエンドウとシワの種子のエンドウを受粉させてできた子エンドウの組み合わせはすべてAaとなる。そして、子の種子を受粉させてできた孫エンドウの組み合わせは、AA、Aa、aaとなり、このうち丸い種子のエンドウの組み合わせは、丸い種子の遺伝子Aが優勢遺伝子なので、AAと、Aaである。
(3):実験2でできた種子の結果から、エンドウの苗①~④がそれぞれもつ遺伝子の組み合わせを正しく表しているものをア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「イ」】
表1①②の結果より、すべて丸い種子とあるので、①と②は、Aの遺伝子を必ず持つ事がわる。次に①③の結果より、丸い種子としわの種子が3:1となる組み合わせは、AaとAaしかない。よって、①と③は、両方ともAaであるとわかる。最後に①の結果より、丸い種子としわの種子が1:1となる組み合わせは、Aaとaaしかないので、④がaaだとわかる。以上より、選択肢イが適切である。
(4):染色体の中に存在する遺伝子の本体は何という物質か名称を書く問題です。
【・答え「DNA」】
(5):無性生殖について述べたものとして正しいものをア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「ウ」】
無性生殖は、体細胞分裂によって子がつくられ、親と同じ遺伝子を受け継ぎ、形質も親と同じである。
ご質問などお気軽にお問い合わせください。
大問4:地学
日本列島付近で発生した地震について調べたものをみて、(1)~(5)の問いに答える問題です。
(1):小さなゆれの後にくる大きな揺れを何というかの用語を書き、小さな揺れの後に大きな揺れが観測される理由として適切なものをア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「主要動 エ」】
小さな揺れを初期微動、その後にくる大きな揺れを主要動という。初期微動はP波、主要動はS波。震源では、揺れが同時に発生するがP波の方が伝わる速さが早いので先に揺れが観測される。
(2):この地震が発生した時刻は15時何分何秒か、書く問題です。
【・答え「15時15分34秒」】
P波の速さ=[150(km)-90(km)]÷(15時15分59秒-15時15分49秒)=6km/sである。
150(km)÷6km/s=25s つまり、P波が震源からA地点まで到達するのに25秒かかることがわかる。よって地震が発生したのは、A地点でP波が観測された25秒前の15時15分34秒となる。
(3):マグニチュード7.6の地震のエネルギーは、マグニチュード5.6の地震のエネルギーの約何倍になるか適切なものをア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「ウ」】
マグニチュードが1増えるとエネルギーは約32倍、2増えると約1000倍になる。よって、ウが適切。
(4):規模の大きな地震が太平洋側に集中しているのはなぜか、「沈み込む」の言葉を使って簡潔に記述する問題です。
【・答え「例:海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む境界があるから。」】
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むため、プレートの境目に巨大な力がはたらき、地下の岩石が破壊されて地震が起こる。その為、プレートの境目がある、太平洋側の方が大きな揺れが観測される。
(5):地震によっておこる現象や災害対策について述べたものとして正しいものをア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「ア」】
イ:液状化現象とは、地震の際に、地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象のことなので不適切。
ウ:いくら地震への対策が進歩していたとしても、予測不可能な事は起こりうるので、地震が起きた時の行動を考える必要は常にある。よって不適切。
エ:緊急地震速報とは、地震の発生直後に、各地での強い揺れの到達時刻や震度を予想し、可能な限り素早く知らせる情報のことなので不適切。
大問5:生物
学校の裏山の地面や土の中のようすを観察した様子をみて(1)~(3)の問いに答える問題です。
(1):落ち葉を見るときの図1のルーペの使い方として適切なものをア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「イ」】
ルーペは、目に近づけて持ち、落ち葉を前後に動かしてピントを合わせる。
(2):解答欄にあるマツの雌花のXの鱗片の模式図に胚珠の大まかな図を書き入れる問題です。
【・答え「下図参照」】
(1):落ち葉を見るときの図1のルーペの使い方として適切なものをア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「イ」】
ルーペは、目に近づけて持ち、落ち葉を前後に動かしてピントを合わせる。
(2):解答欄にあるマツの雌花のXの鱗片の模式図に胚珠の大まかな図を書き入れる問題です。
【・答え「下図参照」】
大問6:化学
化学変化と物質の質量の関係について調べるために行った実験1,2を見て、(1)~(5)の問いに答える問題です。
(1):実験1で生じた。陽イオンと結びついて白い沈殿を作った陰イオンをイオン式で書く問題です。
【・答え「SO₄²¯」】
実験1では、中和によって水と塩ができる。この現象を化学式で表すと、(2H++SO₄²¯)+Ba²++2OH¯→BaSO₄+2H₂Oである。陽イオンと結びついて白い沈殿をつくった陰イオンは、硫酸のSO₄²¯である。
(2):下線部①について、化学変化を原子や分子のモデルで適切に表したものを次のア~エの中から選ぶ問題です。
【・答え「ウ」】
実験1では、実験の前後で質量が変わっていないことがわかった。これは、質量保存の法則である。質量保存の法則では、化学変化の前後で物質を作る原子の組み合わせは変わるが、物質の原子の種類と数は変わらないので、ウが適切。
(3):実験2のすべての結果をもとに、炭酸水素ナトリウムの質量と、発生した気体の質量との関係をグラフに表し、実験2の結果について考察したア~エの中から正しいものを選ぶ問題です。
【・答え「グラフは下図参照、考察イ」】
実験2表より、炭酸水素ナトリウム10.gにうすい塩酸40cm³を加えて発生する二酸化炭素の質量は、171.0-170.5=0.5g同様に計算していって、グラフを作成する。そして、考察に関しては、炭酸水素ナトリウムの質量6.0gすべてと反応するのに必要なうすい塩酸の体積は、5.0g:6.0g=40cm³:x よって、x=48cm³なので、イが適切だとわかる。
(4):炭酸水素ナトリウムの代わりにベーキングパウダー2.0gを使って実験2の操作を行ったところ、気体が0.22g発生した。炭酸水素ナトリウムとうすい塩酸との反応でのみ気体が発生したものとすると、使用したベーキングパウダーに含まれる炭酸水素ナトリウムの質量の割合は何%であると考えられるか値を書く問題です。
【・答え「22%」】
二酸化炭素を0.22g発生させたときの炭酸水素ナトリウムの質量をxとすると、2.0g:xg=1.0g:0.22gよって、x=0.44g 0.44÷2.0g×100=22%
(5):実験2で下線部②を証明するための適切な方法を簡潔に記述する問題です。
【・答え「例:密閉された容器の中で物質を反応させる方法。」】
反応前と後で質量が同じである事を証明するには、発生した気体が逃げないよう、密閉された容器などで実験を行うとよい。
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