【山口県】令和4年度/2022年度入学者高校入試選抜試験:数学

山口県の2022年3月実施の令和4年度(2022年度)入学者の公立高校入試問題の解説をしています。
受験勉強において、過去問を解くことはとても効果的な勉強法です。ぜひ、受験までに一度挑戦し、問題の傾向を掴んでおきましょう。合わせて、対策などをたてられるととても良いですね。

また、過去問で苦手な点が見つかった場合は、そこを中心に試験日当日までにしっかりと対策しておきましょう。

山口県の公立高校入試情報はこちら

大問1

問題文

次の(1)~(5)に答えなさい。

(1) 8-(-5) を計算しなさい。

(2)2/5÷(-1/10)を計算しなさい。

(3)(-4a)²×3b を計算しなさい。

(4)(6x+y)-(9x+7y) を計算しなさい。

(5)(a+3)(a-3)を計算しなさい。

解答

【解答】
(1) 【正答 13】
(2) 【正答 -4】
(3) 【正答 48a²b】
(4) 【正答 -3x-6y】
(5) 【正答 a²-9】

【解説】
(1) 8-(-5)=8+5=13
(2) 2/5÷(-1/10)=-2/5×10=-4
(3) (-4a)²×3b=16a²×3b=48a²b
(4) (6x+y)-(9x+7y)=6x+y-9x-7y=-3x-6y
(5) (a+3)(a-3)=a²-9

大問2

問題文

次の(1)~(4)に答えなさい。

(1) 直方体の形をした水槽があり、水槽の底から7cmの高さまで水が入っている。この水槽に、毎分3cmずつ水面が上がるように水を入れる。水を入れ始めてからx分後の水槽の底から水面までの高さをycmとしたとき、水槽が満水になるまでのxとyの関係について、yをxの式で表しなさい。ただし、xの変域はかかなくてもよい。

(2) 次の表は、山口県の19市町別の人口密度(1km²あたりの人数)を度数分布表にまとめたものである。

 19市町の中央値が含まれている階級を、次のア~エから1つ選び、記号で答えなさい。

ア 100人以上200人未満
イ 200人以上300人未満
ウ 300人以上400人未満
エ 400人以上500人未満

(3) 次の条件①と条件②の両方を満たす数を答えなさい。

条件① 4より大きく5より小さい無理数である
条件② 2乗すると18より小さい整数となる

(4) 次の図のような平行四辺形ABCDで、辺CD上にあり、頂点C,Dと重ならない点をE,線分ACと線分DEの交点をFとする。
 このとき、△ABCと面積の等しい三角形を、次のア~エから1つ選び、記号で答えなさい。

ア △ACE
イ △BCE
ウ △ABE
エ △BCF

解答

【解答】
(1) 【正答 y=3x+7】
(2) 【正答 イ】
(3) 【正答 √17】
(4) 【正答 ウ】

【解説】
(1) はじめに水面の高さが7cmあり、そこから毎分3cmずつ水面が上がっていくので、変化の割合は3である。
(2) 中央値は人口密度の低い方から10番目となるので、中央値の属する階級は、200人以上300人未満。
(3) 求める数をnとすると、条件①より、√16<n<√25、この中で条件②n²<18を満たすのは、n=√17のみ。
(4) AB//CDより、△ABCと△ABEは共に底辺をABとすると、その高さも等しいことから面積も等しくなる。

大問3

問題文

SさんとTさんは、インターネットを利用する機会が増えたので、データ量や通信料に興味をもった。次の(1)、(2)に答えなさい。

(1) Sさんのタブレット端末には、1枚3MBの静止画がa枚、1本80MBの動画がb本保存されており、それらのデータ量の合計は500MBよりも小さかった。この数量の関係を不等式で表しなさい。なお、MBとは、情報の量を表す単位である。

(2) SさんとTさんはそれぞれ、アプリケーションソフトウェア(以下、「アプリ」)PとQを使用したときの、インターネット通信料を調べた。下の表はその結果である。アプリP,Qはどちらも、使用時間と通信料が比例することが分かっている。

 このとき、アプリPの1分間当たりの通信料をxMB、アプリQの1分間あたりの通信料をyMBとして連立方程式を作り、アプリP,Qの1分間あたりの通信料をそれぞれ求めなさい。なお、MBとは、情報の量を表す単位である。

解答

【解答】
(1) 【正答 3a+80b<500】
(2) 【正答 式:20x+10y=198、5x+30y=66 アプリP:9.6MB アプリQ:0.6MB】

大問4

問題文

空間図形について、次の(1)、(2)に答えなさい。

(1) 図1のような直径ABが6cmの半円がある。線分ABを軸としてこの半円を1回転してできる立体の体積を求めなさい。ただし、円周率はπとする。

(2) 図2は1辺の長さが1mである立方体である。この立方体を、ある3つの頂点を通る平面で切り取ると、立体Xと立体Yができる。図3は立体Xの投影図である。

 立体Xの体積をV、立体Yの体積をV’としたとき、体積の比V:V’を、次のア~エから1つ選び、記号で答えなさい。

ア V:V’=1:1
イ V:V’=3:1
ウ V:V’=5:1
エ V:V’=7:1

解答

【解答】
(1) 【正答 36πcm³】
(2) 【正答 ウ】

【解説】
(1) 半径3cmなので、4π×3³/3=36π(cm³)
(2) 立体Yの体積V’=1×1×1/2×1×1/3=1/6(m³)、立体Xの体積V=1-V’=5/6(m³)

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大問5

問題文

AさんとBさんは花壇に花の苗を植える計画を立てた。次の(1)(2)に答えなさい。

(1) 買ってきた花の苗を5人で植えると、1人あたり70個変えることになる。買ってきた花の苗をa人で植えると、1人あたり何個植えることになるか。aを使った式で表しなさい。

(2) AさんとBさんは、買ってきた花の苗の一部を使って図1のように、花の苗を三角形の辺上に同じ数ずつ植えることにした。例えば、花の苗を三角形の辺上に4個ずつ植えると、図2のようになる。ただし、●は花の苗を表す。

 Aさんは、三角形の辺上にn個ずつ植えるときの、苗の合計を次のように考えた。

 一方で、Bさんは別の考え方で、{3(n-2)+3}個と考えた。Bさんの考え方について、Aさんの考え方に習って、●を囲んだうえで説明しなさい。

解答

【解答】
(1) 【正答 350/a個】
(2) 【正答 下図参照】

大問6

問題文

大小2個のさいころについて、次の操作を行うとき、次の(1)、(2)に答えなさい。ただし、この大小2個のさいころは、どの目が出ることも同様に確からしいものとする。

操作

大小2個のさいころを同時に1回投げて、出た目の数の和を記録する。

(1)下の表は、操作を10回繰り返したときの記録Aと50回繰り返したときの記録Bを整理したものである。また、説明は、表をもとに記録Aと記録Bの散らばり度合いについてまとめたものである。

目の数の和23456789101112
10回くりかえしたときの記録A0
50回くりかえしたときの記録B
説明

記録Aの四分位範囲は(ア)、記録Bの四分位範囲は5である。記録Aと記録Bの四分位範囲を比較すると、記録(イ)の方が散らばりの度合いが大きい。

 説明 が正しいものとなるように、(ア)には、あてはまる数を求め、(イ)には、A、Bのうち適切な記号を答えなさい。

(2) 操作を多数回繰り返していくと、目の数の和が6,7,8になる回数が他よりも多くなっていくことが分かっている。大小2個のさいころを同時に1回投げたとき、目の数の和が6以上8以下になる確率を求めなさい。ただし、答えを求めるまでの過程も書きなさい。

解答

【解答】

(1) 【正答 ア:3 イ:B】
(2) 【正答 下記参照】
(例)大小2個のさいころを投げたときの出る目は全部で36通りある。そのうち、和が6以上8以下になる目の出方は
(大、小)=(1,5)(1,6)(2,4)(2,5)(2,6)(3,3)(3,4)(3,5)(4,2)(4,3)(4,4)(5,1)(5,2)(5,3)(6,1)(6,2)の16通りなので、求める確率は16/36=4/9

【解説】
(1) 記録Aは、第1四分位数が6、第3四分位数が9なので、四分位範囲は9-6=3、記録Bの四分位範囲は5なので、四分位範囲が大きい方がデータの散らばりが大きいといえる。

大問7

問題文

関数y=ax²について、次の(1)(2)に答えなさい。
(1) 関数y=x²について、xの値が1から2まで増加したときの変化の割合は3である。xの値が-3から-1まで増加したときの変化の割合を求めなさい。

(2) 図のように、関数y=x²のグラフ上にx座標が2となる点Aをとる。またa>0である関数y=ax²のグラフ上にx座標が-3となる点Bをとる。△OABの面積が8となるとき、aの値を求めなさい。

解答

【解答】
(1) 【正答 -4】
(2) 【正答 a=2/9】

【解説】
(1) x=-3のときy=9、x=-1のときy=1なので、変化の割合は1-9/-1-(-3)=-4
(2) 直線ABとy軸との交点をDとする。△OABの面積が8となるとき、OD×{2-(-3)}×1/2=8、OD=16/5となり、D(0,16/5)となる。よって、2点A,Dの座標から直線ABの傾きは、(4-16/5)÷(2-0)=2/5とわかるので、直線ABの式はy=2/5x+16/5、これにB(-3,9a)を代入すると、a=2/9

大問8

問題文

三角形に関連して、次の(1)(2)に答えなさい。

(1) 図1のように、∠ABC=70°、∠ACB=30°である△ABCがある。辺AC上に点D、辺BC上に点Eをとり、∠BDE=55°、∠BED=90°であるような直角三角形BEDをつくりたい。このとき、点Eを定規とコンパスを使って作図しなさい。ただし、作図に用いた線は消さないこと。

(2) 図2のような△があり、∠ABCの二等分線と辺ACの交点をPとする。また、線分BPの延長上にあり、CP=CQとなる点Qをとる。

 このとき、BA:BC=AP:CPであることを証明しなさい。

解答

【解答】
(1) 【正答 下図参照】
(2) 【正答 下記参照】

大問9

問題文

ある中学校では、体育祭の準備を行っている。次の(1)~(3)に答えなさい。

(1) Sさんは、倉庫にある玉入れ用の玉の中に、使える玉が何個かあるか確認することにした。そこで、無作為に抽出した20個の玉を調べると、そのうち15個が使える玉であった。
 玉が全部で413個あることが分かっているとき、使える玉はおよそ何個と推定されるか。小数第1位を四捨五入した概数で答えなさい。

(2) Tさんのクラスでは、ダンスの隊形について話し合っている。ダンスは運動場に用意された縦18m、横22mの長方形の形をした区域の中で踊ることになっている。

 図1は、Tさんが考えた隊形を示しており、長方形の対角線の交点を中心とした半径7mの円Oと、4つの同じ大きさの円A,B,C,Dを表したものである。円A,B,C,Dは、円Oより小さく、長方形の隣り合う2辺と円Oに接している。
 円A,B,C,Dの半径をxmとしたとき、xの値を求めなさい。

(3) Uさんは、運動場に200m走のトラックをつくることになった。そこで、陸上競技用のトラックの作り方について調べ、以下のように作るようにした。

トラックの作り方

① 半径がrmの2つの半円と、縦の長さが2rm、横の長さがbmの長方形を組み合わせる。
② ①の図形の外側に、幅が1mの4つのレーンをつくり、内側から第1レーン、第2レーン、第3レーン、第4レーンとする。
③ 各レーンのゴール位置は同じライン上とし、トラックを走る距離を各レーンすべて200mにする。そのため、第1レーンのスタート位置に対し、第2レーン、第3レーン、第4レーンのスタート位置をそれぞれ前方にずらす。

図2はトラックの作り方をもとに つくったイメージ図である。第1レーン、第4レーンのスタート位置の最も内側の点を、それぞれA,Bとする。①の2つの半円のうち、ゴール位置のある方の半円の中心を点Cとする。

 実際にトラックを作るために、Uさんは図2を使ってクラスメイトに下のように説明した。この説明が正しいものとなるように(ア)、(イ)にあてはまる数を求めなさい。また(ア)については、答えを求めるまでの過程も書きなさい。ただし、円周率はπとする。

各レーンで走る距離は、各レーンの内側にある線の長さを測るものとする。第4レーンのスタート位置は、第1レーンのスタート位置より(ア)mだけ前方にずらす必要がある。r=21としてつくると、∠ACBの大きさは(イ)度となる。

解答

【解答】
(1) 【正答 およそ310個】
(2) 【正答 x=3】
(3) 【正答 ア:下記参照 イ:45度】

【解説】
(1) 413×15/20=1239/4=309.7…となり、およそ310個。
(2) 直角三角形ABCをつくり三平方の定理を利用する。AB=18-2x、BC=22-2x、AC=14+2xより、(14+2x)²=(18-2x)²+(22-2x)²、x<7より、x=3
(3)ア 第1レーンの1周のながさは(2πr+2b)mであり、第4レーンの1周の長さは{(2r+6)π+2b}mとなる。その距離の差は{(2r+6)π+2b}-(2πr+2b)=6π(m)より、第4レーンの方が6πmだけ長いので、走る距離を同じにするためには、第4レーンのスタート位置は第1レーンのスタート位置より6πmだけ前方にずらす必要がある。
(3)イ r=21なら、第4レーンの曲線部分の半円の半径が24で、半円の弧の長さは24π。このうち6πだけスタート位置が前にいくので、∠ACB=180°×6/24=45°

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