【理科】仕事と仕事率ってなんだろう?
仕事ときくと、大人が会社や店で働くことをイメージすると思いますが、
理科で言う仕事はそれとは違います。
理科の意味からすると、大人・子供に限らず、みなさん普段の生活で何らかの仕事をしています。
それって、どういうことでしょうか。
こんな仕事やその仕事の効率について、説明していきたいと思います!
計算についての例題も載せているので、定期テストの勉強でこの単元に困っている人がいたら、是非最後まで読んでみて下さいね!
仕事について
仕事とは?
仕事とは、「掛けた力に対して、それが動く事」をいいます。あるものを動かすときに、ある一定方向に力をかけ続けて、その物が力をかけた方向に動いたとき、「仕事をした」といいます。
これを式で表すと、
「掛けた力(N)×力の方向に動いた距離(m)=仕事(J)」
となり、ジュール(J)という単位で表します。
地面に接触したものを押すと、押した方向と逆に摩擦力が掛かり、力が釣り合います。
釣り合った状態で力をかけ続ければ物は移動しますが、このとき力の向きと移動の向きが一致しているので、仕事をしていると言うことができます。
たとえば、10Nで10m動かしたとすると、このときの仕事は
10(N)×10(m)=100(J)
となります。
動かした時間に関係なく、動かした距離と力によって仕事は決まるということです。
あと、「力の方向と動いた方向が一致しているかどうか」についてしっかり注意しましょう。
例えば、物を持って、物自体の高さを変えずに歩いたとします。
力が掛かっている方向は上下方向ですが、移動の方向は横方向なので、移動方向と力の掛かる方向が垂直になります。ということは、移動方向と力の方向が一切関係ということなので、仕事はしていない、ということになります。
仕事は動かした時間に関係なく、動かした距離と力によって決まるものである。
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仕事の計算方法
仕事の計算方法は、力の大きさ×力の掛かる方向に移動した距離で計算できると説明しました。
この方法で早速例題を解いてみましょう。
例1.10Nの力で物を持ち上げ、これを上方向に10cm移動した。この仕事はいくらか?
持ち上げているので、力は上方向に掛かっていることが分かります。(重力に対して支える力が上方向に掛かっています。)これを、上方向に10cm移動させるのですが、力の方向と移動方向が一致しているので、確かに仕事をしていると分かります。
これを計算すると、
10(N)×0.1(m)=1(J)
より、この仕事は1(J)となります。
仕事を計算するときは、単位をN,m,Jで表すのが基本なので、10cmは0.1mに変換してから計算すること。
例2.10Nの力で物を持ちあげ、これを斜め方向に移動した(上方向に0.5m、横方向に1m)。この仕事はいくらか?
持ち上げているので、力は上方向に掛かっていることが分かります。これを上方向に0.5m、横方向に1m移動しました。さて、どれだけ仕事をしたのか?ということです。
繰り返しになりますが、仕事というのは、力のかかる方向に対してについてのみ考えます。
なので、この場合は横に移動したことは仕事に含まれません。
ということは、上方向の0.5mの移動についてのみ考えればいいです。
これを計算すると、
10(N)×0.5(m)=5(J)
より、この仕事は5(J)となります。
力の掛かる方向をしっかり考えた上で、仕事はどの方向の移動のことを言っているのかを見極めよう!
斜めの時は、力の掛かる方向を上下と横方向の二つに分けることができる。
仕事率について
仕事率とは?
仕事に関係する言葉に仕事率があります。一言で言うと、仕事の効率です。
仕事率は、
仕事率(W)=仕事(J)÷仕事をした時間(s)
で表すことができます。
Wはワットと呼びます。電子レンジなどでよく見る”500W”なども同じWで示されるもので、移動による仕事ではありませんが、熱を与えるという別の仕事をしていて、その仕事率を表しています。
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仕事率の計算方法
例3.20Jの仕事をするために4sの時間が掛かったとき、仕事率は?
仕事率の考え方より、仕事÷仕事に掛かった時間を考えればよいので、
20(J)÷4(s)=5(W)
となります。
例4.1500Wで温めるために30秒必要な弁当を500Wで温めるとき、何秒必要か?
仕事率と仕事に掛かる時間が分かっているので、まず温めるために必要な仕事を計算します。
仕事÷30(s)=1500(W)
なので、
仕事=1500(W)×30(s)
仕事=45000(J)
となります。さて、これを今度500Wの仕事率でおこなうには、どれくらいの時間が掛かるのか計算してみましょう。
これもまた、公式に当てはめていくと、
45000(J)÷時間=500(W)
より、
時間=45000(J)÷500(W)
時間=90(s)
となります。