【理科】圧力って?水圧・浮力・大気圧もまとめて解説

こんにちは。今回は「圧力」について学んでいきたいと思います。
同じ分野なので、水圧・浮力・大気圧もまとめて解説します。

前回は力について学びましたが、「圧力」はまた少し異なる概念です。
ただの重さや動きのことではありません。
そのような違いに注目しながら、読んでみてください!
計算問題もあるため、テストにもよく出題されていますよ!

目次

1.圧力って?

圧力とは、1㎡あたりにはたらく力です。
このような定義を聞いてもピンとこない方が多いと思います。
そこで、定義を説明する前に、感覚的に理解できる実験や例えを紹介します!
分かるよ!という方は、【3.圧力の定義】まで進んでください。

圧力の定義を説明する前に知っておいていただきたいのは、
同じ重さだとしても、触れている面積が異なるとはたらく力の大きさは異なるということです。

「何を言っているか分からない」という方のために、例えを紹介します。
イメージしてみてください!
同一人物が雪の上に立っているとき、ブーツとスキー板では、雪の沈み方が異なりませんか?
スキー板に乗っている方が、雪に沈まないですよね。
つまり、雪と触れる面積が大きいと、雪に加わる力が小さくなっているのです。

これが感覚的な圧力の理解です!
それをよく示している実験を一つ紹介します。

2.圧力をイメージできる実験をしてみよう

圧力って理解しにくい概念ですよね。
分かりやすいように実験をしましょう!
これ圧力の大小について、視覚的に理解することができます。

実験

レンガをスポンジに乗せて、スポンジのへこみ方を見てみましょう。
レンガは直方体のものを用意して、
スポンジとふれる面積が変化した場合、へこみ方がどのように変化するのかに注目しましょう。
図の左側の方がスポンジとレンガが触れる面積は大きく、
右側の方が小さくなっています。

結果

結果を表にまとめました。

スポンジとレンガが触れる面積大きい小さい
スポンジのへこみ方小さい大きい
 圧力小さい大きい 

表からも分かるように、
「スポンジのへこみ方」の大小と「圧力」の大小はイコールの関係です。
つまり、力がはたらく面積が小さいほど、圧力が大きくなる(=スポンジのへこみが大きい)ことが分かります。

3.圧力の定義

イメージが明確になったところで、本題の圧力の定義に入りましょう。

Point!

圧力1㎡あたりにはたらく力

単位:「 (パスカル)」または「N/㎡

公式:圧力 = 力の大きさ(N) ÷ 力をうける面積(㎡)

圧力とは、先程も言った通り、
縦1m横1mの正方形にはたらく力のことです。

単位は2種類あり、どちらを使用しても大丈夫です。
「N/㎡」の方を覚えておけば、自動的に公式も暗記できるのでおすすめです!
というのも、「/ (スラッシュ)」は割り算の意味があるからです。

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4.圧力の計算問題

次に、実践問題を解いていきましょう!
その前に確認事項があるので、チェックしていきましょう!

Point!

圧力の計算問題では、単位に注意して計算しましょう!

  • 100gは1N
  • 1㎡ = 1m×1m = 100㎝×100㎝ = 10000㎠

では、以上の注意点を頭に入れて、解いていきましょう。

練習問題

図のように質量300gの物体をA面が下になりようにスポンジの上にのせた。
このときの圧力はいくらか。

解答

では、公式に当てはめて求めていきましょう。

圧力 = 力の大きさ(N) ÷ 力をうける面積(㎡)
でしたよね?

「力の大きさ(N) 」をまず考えましょう。
300gと問題文にあるので、
力の大きさ=3Nですね。

「力をうける面積(㎡)」を次に考えましょう。
問題文の図では、単位が㎝になっているのでそこに注意して考えると、
力をうける面積=0.3m×0.2m=0.06

したがって、
圧力= 力の大きさ(N) ÷ 力をうける面積(㎡)
=3÷0.06
=50
圧力の単位をつけて、
解答は、50N/㎡

5.水圧

圧力の学習に伴い、水の中ではたらく力もあることを知っておきましょう。
これを水圧と言います。

水圧は、深ければ深いほど大きくなります。
また、重力のように一方向に力がはたらいているわけではなく、
あらゆる方向から水圧ははたらいています。

イメージとしては、図の矢印のように水圧ははたらいています。
水圧は深さに比例して大きくなったり、小さくなったりするため、
同じ深さでの水圧は相殺しあっていることが分かります。

6.浮力

海やプール、お風呂で、ビーチボールを底に沈めることはできますか?
手で押さえて一時的に沈めることができても、手を離すと浮いてきてしまいますよね?

これは、ビーチボールを上に押し上げるような力がはたらいているからです。
これを浮力と言います。
浮力は必ず上向きにはたらきます。

では、浮力はどのように計算するのでしょうか?

浮力の計算

ある物体を測ると、空気中では1.5N、水中では1.0Nだったとします。
この物体にはたらく浮力の大きさはいくらでしょうか?

浮力=空気中での重さー水中での重さ
ですので、
浮力=1.5ー1.0=0.5N

浮力はこのように計算します。
最後に、浮力がどうしてはたらくかについても説明します。

浮力がはたらくしくみ

浮力がなぜはたらくかを説明するには、前述の「水圧」を理解する必要があります。
学習した通り、水圧は、あらゆる方向から力がはたらいており、深ければ深いほど大きいです。
分かりやすいように矢印で表すと、図のように水圧ははたらいています。

横向きの矢印は、同じ深さなので同じ大きさではたらいています。
したがって、左右でつりあっています。

一方、上下の矢印は、深さが違うので水圧が異なります。
下の方が深いので、
上面にはたらく水圧 < 下面にはたらく水圧
となっています。

この差が、下から上へ押し出す力、つまり、「浮力」となっているのです!

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7.大気圧

水の中には圧力がはたらいていることが分かりましたが、空気の中はどうでしょうか?
空気に押されていると感じていますか?
きっと感じていないと思いますが、実は空気の重さによる圧力も存在します。
これを大気圧と言います。

大気圧って?

大気圧の特徴を知っておきましょう!

大気圧の特徴
  • 大気圧=空気の重さによる圧力
  • あらゆる方向に、同じ大きさではたらく
  • 高いところの大気圧は小さい
  • 海面上の気圧の平均的な大きさを1気圧という
  • 1気圧=1013hPa(ヘクトパスカル)
  • 1hPa=100㎩

暗記が多く、ややこしいとは思いますが、テストに出るポイントは、

  • 高いところの大気圧は小さい
  • 1気圧=1013hPa(ヘクトパスカル)

の2つです。
必ず覚えましょう!

大気圧を感じるタイミング

普段生活していて大気圧を感じるのは難しいですが、注目していれば身近に感じられる事例はあります!

例えば、袋に入ったお菓子を持って飛行機に乗ると、上空で袋がパンパンに膨らんでいませんか?
これは実は、大気圧の影響で起こっています!
その仕組みを簡単に説明します。

飛行機に乗っていないときは、お菓子の袋の中も外も同じ大きさの大気圧がはたらいています。

一方、飛行機がいる上空では、袋の周りの大気圧は小さくなります。
これは先ほど学習したように、「高いところの大気圧は小さい」からです。
しかし、お菓子の袋の中の大気圧は、上空でも変化していません。

その結果、袋の中の大気圧が相対的に大きくなり、袋の中から外へ押し出す力がはたらき袋がパンパンに膨らむのです。

圧力・水圧・大気圧について理解できたでしょうか?
目に見えない力を取り扱っているため、苦手な方が多い分野ですが、
実は簡単なのでこの機会に完璧にしちゃいましょう!

この記事を書いた人
趣味:カメラ

学習アドバイザー 早川

これまで学習アドバイザーとして沢山のお子さんのお悩みを解決してきました。そのノウハウや勉強のコツなどをこの記事を通して発信していきます。
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