【理科】水溶液の性質

皆さんはジュースやスポーツドリンクを飲んだことがあると思いますが、それらに砂糖や塩のようなものが入っていますね。

でも、その液体を見てみると、砂糖や塩のような粒状のものは見当たりません。私達がよく調味料として見る者は白く見えるのに、どうして水の中に入っていると見えなくなってしまうのでしょうか?

今回は、そんな水溶液というものについて解説していきます!(溶かすものを固体に限定して解説します。)

目次

水溶液ってなに?

水溶液とは、物質を水に溶かした液体のことをいいます。
水の中に砂糖や塩のようなものを入れた液体は水溶液といえます。

コップ一杯の水に砂糖ひとつまみを入れると、砂糖はコップの中をゆっくり漂うようになります。それをかき混ぜていくと、たちまち見えなくなってしまいます。

これがどうして起こるのでしょうか。

理由は簡単です。私たちが想像する砂糖とは分子が並列に並んでいるものが集団になっていて、それが人の見ることが出来るサイズより大きいので見えています。

水に入れてかき混ぜることで、その物質がばらばらになります。ばらばらになった一つの分子というのは人が見ることが出来る限界の小ささよりずっと小さいので、まるで消えたようにみえるのです。この、水に入れて見えなくなることを溶解といいます。決して砂糖が消えて無くなったわけではないということに注意してくださいね!

水溶液については、このように溶けた物体(砂糖、塩のようなもの)のことを溶質といい、溶解した物体(水)を溶媒といいます。この2つを合わせて溶液といいます。

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水溶液の性質とは?

水溶液の性質として、

  • 透明である。
  • どこでも同じ濃度
  • 時間が経っても濃度が変わらない

の3つがあります。1つずつ解説していきましょう。

性質その1:透明である

透明であるとは、透き通って見えるということです。水を想像してもらえればいいです。色がついている液体でも、濁っておらず、先のものが通してみることが出来れば、それは水溶液の性質を満たしているといえます。

性質その2:どこでも同じ濃度

濃度というのは、その物質がどれだけその部分にあるのか、という度合いの事です。少ししか砂糖が入っていない砂糖水と、たくさん入っている砂糖水を飲んでみたら、たくさん入っている方が当然甘いですよね。これが濃度の違いです。

さて、どこでも同じ濃度とはどういうことかというと、同じ水溶液の中で、溶質が均一に散らばっているということです。

透明なジュースがあって、上から飲んでも下から飲んでも(普通そんなことしないと思うけど)どこから飲んでも味は変わらなかったら、それは水溶液であるということです。

性質その3:時間が経っても濃度が変わらない

溶媒に溶質が溶け切っていない場合、放っておくと下や上の方に物体が浮き出てくることがあります。溶け切っていない時点で、それは水溶液ではありません。

※ちゃんと水溶液なのに物体が出てきてしまう場合もあります。そういう場合は、水温が元の状態より低下したり、圧力が低下したりする場合です。これらについては後で説明します。

このような3つの性質をもっている液体(水だけの場合を除く)は水溶液ということが出来ます。

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水溶液から溶けたものを取り出すには?

話を変えましょう。間違えて水の中に入れて溶けてしまった砂糖をどうにかして取りしたいとします。

方法1:ろ過をする

この方法として考えうるものに、ろ過があると思います。

ろ過紙を使えば、濁った水の濁りの原因を引っかけて、きれいな水に戻してくれます。これを水溶液に用いると、溶かした物体を取ることが出来そうですよね。

ところが、これでは出来ないのです。砂糖水からこの方法で砂糖を取り出すことはできません。
これが出来ない理由は、溶かすと見えなくなる理由と同じで、分子一つ一つが非常に小さく、ろ紙の隙間など容易くすり抜けてしまうからです。

方法2:水溶液を「冷やす」

取り出す方法は他にもあります。まず、水溶液を「冷やす」という方法です。

実は、水に溶ける物質の量は水の温度によって変わるのです。温度が高いほど溶けやすくなります。

コーヒーや紅茶に砂糖を入れたことがある人は分かるかもしれませんが、ホットの場合は普通に角砂糖を入れてかき混ぜれば溶けてくれます。しかし、アイスコーヒーやアイスティになると、角砂糖を入れても溶けずに、見える状態で沈殿してしまいます。なので、代わりにガムシロップという液体状のものを入れたりしますね。

これを逆手に取ると、元々溶けていた分も、冷やすことである一定の量だけ結晶として出てくるのです。また、溶質と溶媒の組み合わせで「何度の時どれだけ溶ける」というものが決まっているので、冷やすとどれだけ出てくるかも分かります!ちなみに、溶ける限界の量を溶解度といい、溶解度まで溶かしきった水溶液のことを飽和水溶液といいます。

また、この方法のように一度溶かした物質を冷やして再び結晶として取り出す操作のことを再結晶といいます。

方法3:水を蒸発させる

さて、「冷やす」という方法では全部は出てきてくれません。溶かした時の温度が高ければある程度出てくるかもしれませんが、元々の水温が低ければ、さっきの方法を使うことは出来ません。

そんな時は水を蒸発させればいいのです!

水を蒸発させたら一緒に飛んで行っちゃわないの?と思うかもしれませんが、溶かしたものが砂糖のような固体なら、ちゃんと結晶になって残ります(気体や液体が溶質の場合、蒸発したり空気中に出ていってしまったりするので残りません)。

この記事を書いた人
趣味:サイクリング

学習アドバイザー 後藤

家庭教師のやる気アシストで、学習アドバイザーとして年間600人以上のお子さんの勉強のお悩みを解決!たくさんのお悩みを解決してきた学習アドバイザーの目線から、勉強に関する様々なことを記事にしています。
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