【歴史】近代の産業と文化
今回は、日清戦争・日露戦争後の近代産業と文化について解説していきます。
「殖産興業」という言葉を聞いたことがありませんか?
それは明治政府が目指した姿でした。時系列を意識しながら見ていきましょう!
また、文化についても「人物」と「実績」を結び付けながら覚えましょう!
近代産業の発展(殖産興業)
日本はヨーロッパのような近代国家を目指して産業を盛んにすることを目指しました。
そのような動きは、日清戦争前からありました。¥
時系列でみていきましょう!
1870年代 富岡製糸場など官営模範工場の建設が進む
↓
1880年~ 三井、三菱など(政商)の民間への払い下げ
→民間産業の発達、官営工場の赤字解消のため
→後に、財閥として発展
↓
1894年 日清戦争
→多額の賠償金を得る
↓
第一次産業革命
→軽工業が中心、蒸気が動力、国内市場が未発達のため朝鮮や中国市場に進出
↓
第二次産業革命
→重工業が中心、電気が動力、官営の八幡製鉄所
↓
1904年 日露戦争
このような時系列で産業革命が起きました。
ポイントは、この時系列です。
例えば、日清戦争の賠償金で、八幡製鉄所がつくられた結果、第二次産業革命が起きました。
また、工場の位置も確認しましょう!
富岡製糸場は群馬県、八幡製鉄所は福岡県の北九州市です。
八幡製鉄所が北九州市につくられたのには理由があるので一緒に覚えましょう。
重工業では石炭や鉄鉱石など重いものを使います。
そして、作られた鉄は戦争時に輸出されることが多かったです。
そこで、輸出の際に便利な、朝鮮半島に近い北九州市につくられました。
また、筑豊炭田があり、石炭の入手にも苦労しないのも理由の1つです。
労働問題・社会問題の発生
産業の発展は上記のように進んでいき、豊かになっていきました。
しかし、ここで問題が起こります。
産業の発展には悪い結果も生じてしまったのです。
2つあるので、順番に見ていきましょう!
1.労働問題
- 低賃金
- 長時間労働
→ストライキや工場法の成立を求める労働運動
2.公害問題
足尾銅山鉱毒事件
- 日本初の公害事件
- 栃木県の足尾銅山の鉱毒が渡良瀬川に流出→洪水や生物への影響
- 田中正造を中心に反対運動がおこった→政府は対応せず
このように発展の陰には、様々な問題が起こっていました。
解決しようと働きかけてはいたものの、根本的な解決には至りませんでした。
また、もう一つ別の運動が起こってきたのもこの時代なので、合わせてみていきましょう。
社会主義運動
資本主義社会の仕組みを批判し、変革しようとする思想や運動
- 1901年 幸徳秋水らが日本最初の社会主義政党である社会民主党を結成
- 1906年 堺利彦らが日本社会党を結成
- 1910年 大逆事件:幸徳秋水らが天皇暗殺を計画したとして、逮捕・処刑
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明治の文化① 学門と教育
では、文化を見ていきましょう!
まずは、学問と教育からです。
【医学】
- 北里柴三郎:ペスト菌、破傷風の治療法を発見。
- 志賀潔:赤痢菌を発見。
- 野口英世:黄熱病を研究。
【教育】
1890年 教育勅語が発布される
(その前までは、学制でしたね。)
義務教育が4年→6年
1910年には小学校の通学率は98%に
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明治の文化② 文学と美術
文学や美術についても見ていきましょう!
最大の特徴は、ヨーロッパの影響が色濃く出ている点です。
【文学】
- 写実主義:坪内逍遥「小説神髄」、二葉亭四迷「浮雲」
- ロマン主義:森鴎外「舞姫」、樋口一葉「たけくらべ」
- 自然主義:島崎藤村「破戒」
- その他:夏目漱石「坊ちゃん」
- 詩歌:島崎藤村「若菜集」、石川啄木「一握の砂」
【美術】
アメリカ人フェノロサにより、伝統的な日本美術が再評価される
〈絵画〉
- 岡倉天心:日本画の復興、東京美術学校の設立に貢献
- 黒田清輝:ヨーロッパの画風
- 狩野芳崖:日本画
〈彫刻〉
- 高村光雲:「老猿」
近代の産業と文化について、理解できましたか?
ヨーロッパの影響を受け、追いつくために様々な施策が行われていたことが分かりますね。
時代の流れをつかんだうえで、重要語句の暗記を進めましょう!