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前回は、正の数・負の数の加法と減法について学びました。
今回は掛け算と割り算のやり方を学んでいきます。この分野は入試問題でも必ずと言っていいほど出てきます。
それだけでなく、これからやっていく数学の一番の基礎にもなってきますのでしっかり理解していきましょう。
それでは早速やっていきましょう!
まずは用語の確認からしていきます。
タイトルにある「乗法」。これは掛け算のことです。また掛け算によって得られた答えのことを「積」と呼びます。
掛け算のパターンは
①正の数×正の数
②負の数×負の数
③正の数×負の数
の3パターンがあります。
①、②は1-1で、③は1-2で解説していきます。
①正の数×正の数、②負の数×負の数のように、同じ符号どうしの掛け算は符号が必ず「+」になります。
例①
+5×(+2)=+10
例②
-5×(-2)=+10
③正の数×負の数のように、違う符号どうしの掛け算は符号が必ず「-」になります。
また、この後説明しますが、負の数×正の数と順番が変わっても同じです。
例③
+5×(-2)=-10
掛け算を学ぶと、加法・減法がとても理解しやすくなります。以下の7つの例を見てみましょう。
①+2+(+3)=+2+1×(+3)=+2+3=+5
②-2+(-3)=-2+1×(-3)=-2-3=-5
③+2+(-3)=+2+1×(-3)=+2-3=-1
④+2-(+3)=+2-1×(+3)=+2-3=-1
⑤-2-(-3)=-2-1×(-3)=-2+3=+1
⑥+2-(-3)=+2-1×(-3)=+2+3=+5
⑦-2-(+3)=-2-1×(+3)=-2-3=-5
以上のように足し算・引き算の算術記号(+や-)の後ろには1×が省略されていると考えれることができます。
突然ですが、掛け算は省略して表すことが可能です。例えば以下のような式があったとします。
3×3×3×3×3×3=792
3がたくさんあって見辛いですよね。こんな時に登場するのが「指数」と呼ばれるものです。※ここでは「^」の後に書きます。
これを使うと上記の式は3^6=792とすっきり書くことができます。読み方は「3の6乗」と読みます。
このように同じ数を何回掛けたかを表すことを「累乗」と呼びます。
この累乗は引っかけ問題で良く出題されます。
(-2)^2と-2^2の引っかけ問題が一番有名です。
この違いは「^2」がかかっている範囲です。
前者は(-2)全体にかかり、後者は2のみにかかります。
すなわち、前者の答えは(-2)×(-2)=+4になるのに対し、後者の答えは-2×2=-4となります。
この段落はちょっと難しく感じるかもしれません。
これから癖づけて欲しいのですが、○○の法則と出てくるときは例や意味をとらえるようにしていきましょう。
掛け算の時にx×y=y×xが成立することを交換法則と呼ぶ。
これは簡単に言うと「かける数」と「かけられる数」を変えても答えは同じ!ということです。
早速、例で確認しましょう。
5×(-2)=-10
-2×5=-10
と確認できます。1-2で「負の数×正の数と順番が変わっても同じ」とお伝えしたのはこの法則があるからです。
掛け算の時にx×y×z=x×z×yが成立することを結合法則と呼ぶ。
これは簡単に言うと「掛け算するときの順番」は勝手に変えても答えは同じ!ということです。
早速、例で確認しましょう。
5×17459×(-2)=87295×(-2)=-174590
5×(-2)×17459=-10×17459=-174590
と確認できます。後者で順番を変えた方が圧倒的に計算が楽になることが分かると思います。
掛け算の時に(x+y)×z=x×z+y×zが成立することを分配法則と呼ぶ。
これは簡単に言うと「かっこの外の掛け算」はそれぞれの掛け算に勝手に変えても答えは同じ!ということです。
早速、例で確認しましょう。
(1/3+1/4)×12=(4/12+3/12)×12=7/12×12=7
(1/3+1/4)×12=1/3×12+1/4×12=4+3=7
と確認できます。後者の方が圧倒的に計算が楽になることが分かると思います。
また、「分配法則の逆」もよく使います。
これは簡単に言うと「同じ数の掛け算」はかっこでまとめて勝手に変えても答えは同じ!ということです。
こちらも、例で確認しましょう。
15×120+15×(-20)=1800+(-300)=1500
15×120+15×(-20)=15×(120-20)=1500
と確認できます。こちらも、後者の方が圧倒的に計算が楽になることが分かると思います。
\小・中・高校生の勉強にお悩みのある方へ/
用語の確認からしていきます。
タイトルにある「除法」。これは割り算のことです。また割り算によって得られた答えのことを「商」と呼びます。
正負の数の割り算は、掛け算の符号の動き(同符号「+」、異符号「-」)をマスターしていれば簡単です。
一つだけ新く覚えるべきことがありますので、確認していきましょう。
分数の分子と分母を逆にした数のことを「逆数」と呼びます。
例えば、2/3の逆数は3/2になります。
ここで重要になってくるのは整数の場合です。
整数は分母の1が省略されています。
そのため、5の逆数は1/5となります。
以下の式を解け
①(+80)÷(+4)
②(-5)÷(+8)
③-7/12÷(-21/4)
①まず、符号に着目すると、同符号の為、符号は「+」となる。
逆数で考えればよいので+80×(+1/4)=+20が答えとなる。
②異符号の為、符号は「-」となる。
逆数で考えればよいので-5×(+1/8)=-5/8が答えとなる。
③同符号の為、符号は「+」となる。
逆数で考えればよいので-7/12×(-4/21)=+1/9が答えとなる。