【数学】平面図形
ここからは図形の分野に入っていきたいと思います。
図形も躓いてしまうお子さんが多い分野なのでしっかり押さえていきましょう。
今回は平面図形をターゲットに記号の書き方など基本的な所から学んでいきたいと思います。
1.直線と記号
基本的な所からやっていきましょう。「直線」「線分」「半直線」これらの意味から解説していきます。
まず、直線ABとあったときはおなじみの形です。線が引いてあってその中に点ABが存在します。
———-A————–B———–
といった感じです。
次に、今回初めて習う線分ABという時です。両端に点ABがあり、その間に線がある状態を指します。
A————————————-B
といった感じです。
最後に、半直線。これはちょっとややこしいです。一方の点から出た線上にもう一つの点がある状態です。
半直線ABならば
A———————–B————–
半直線BAならば
B———————–A————–
といった感じになります。
続いて、記号について勉強していきます。
角Aのことを記号を用いて「∠A」と表記します。特に、三角形ABCのうちの角Aという時は∠BACと表します。(∠CABでも可能です)
次に、直角と平行のときの記号を紹介します。
直線ABと直線CDが直角に交わるときは「AB⊥CD」と書き、直線ABと直線CDが平行になっているときは「AB//CD」と書きます。
さらに、三角形ABCと書くときも記号が使え、「△ABC」と書くことができます。四角形以上は省略記号は有りません。
また、記号ではないですが、線分ABを2等分する点のことを「中点」と呼びます。慣例で中点Mと表すことが多いです。
2.移動の種類と作図
この章では作図や○○移動といったものを解説していきます。
記事で紹介をする特性上、作図の手順や用語の説明をしていきます。
2-1.平行移動
平面上で図面を一定の方向に、一定の距離だけ動かすことを「平行移動」と呼びます。
手順は以下のように作図します。
- 平行移動する距離を定規で測る
- 定規を平行に移動させて図形の1点に合わせる
- 測った距離の位置に点の移動先の印をつける
- 他の点にも定規を平行移動させて同様のことを行う
- つけた印を結ぶと平行移動した図形になる
上図のように、対応する点を結んだ線分はいずれも平行で長さが等しいということが特徴です。
2-2.対称移動
平面上で図形を1つの直線を折り目として折り返して、図形を移動させることを「対称移動」といいます。この時、折り目となった直線を対称の軸と呼びます。
手順は以下のように作図します。
- 図形のどれか1点を選び、対称の軸と2点で交わる弧を書く
- それぞれの交点を中心として①と同じ半径の弧を交わるように書き、交点に印をつける
- 他の点も同様に印をつける
- つけた印を結ぶと対称移動した図形になる
上図のように、対応する点を結んだ線分は対称の軸の垂線となり、それぞれの点は対称の軸からの距離が等しいということが特徴です。
2-3.回転移動
平面上で図形の1つの点Oを中心として、一定の角度だけ回転させ、図形を移動させることを「回転移動」といいます。このとき、回転の中心となった点を回転の中心と呼びます。
手順は以下のように作図します。
- 図形のどれか1点を選び、回転の中心からの距離を定規で測る
- その点と回転の中心となす角度を測り、回転させるべき角度に定規で測った距離の点に印をつける
- 他の点も同様に印をつける
- つけた印を結ぶと回転移動した図形になる
上図のように、対応する点は回転の中心からの距離が等しく、回転の中心となす角がどれも等しいということが特徴です。
回転移動の中で180°の移動のことを「点対称移動」と呼びます。
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2-4.垂線の作図
2つの直線が垂直であるとき、一方を片方の「垂線」と呼びます。
垂線の引き方の手順は、(ⅰ)直線上にない点を通る場合と(ⅱ)直線上の点を通る場合で異なります。見ていきましょう。
(ⅰ)直線上にない点を通る場合
- コンパスの針を点Aに合わせ、直線Lと2点で交わるような弧を書く
- 交わった点それぞれを中心とした同じ半径の弧を書く
- 弧どうしが交わった点と点Aを結んだ線が直線Lの垂線となる
(ⅱ)直線上の点を通る場合
- コンパスの針を点Aに合わせ、直線Lと2点で交わるような弧を書く
- 交わった点それぞれを中心としてさらに大きな半径の弧を書く
- 弧どうしが交わった点と点Aを結んだ線が直線Lの垂線となる
2-5.垂直二等分線の作図
ある直線を垂直に二等分する線を「垂直二等分線」と呼びます。このときの交点は、直線の中点を通ります。
手順は以下のように作図します。
- 線分の端点にコンパスの針を合わせて弧を書く
- 線分のもう一方の端点にも針を合わせて同じ半径の弧を書く
- 交わった2点に定規を合わせて直線をひくと、垂直二等分線となる
※このときコンパスの広さは線分の半分の長さよりも長くすること
2-6.角の二等分線の作図
角を同じ大きさの2つの角に分ける線を「角の二等分線」と呼びます。
手順は以下のように作図します。
- コンパスの針を角の頂点に合わせ、それぞれの線分と交わるような弧を書く
- 交わった点を中心とした同じ半径の弧を書く
- 弧どうしが交わった点と角の頂点を結んだ線が角の二等分線となる
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3.円とおうぎ形
円の復習からしていきましょう。
小学校の算数で円の中心・半径・直径は学んだと思います。
円の真ん中に来るものが中心、その中心を通り円を2分する直線を直径、その半分が半径となりました。
今回は新たに弦・弧・おうぎ形を学んでいきたいと思います。
円周上に2点A,Bをとります。その2点を結ぶ線分を「弦AB」、2点の間の円周を「弧AB」と呼びます。
このとき、円の2つの半径と弧が囲む形のことを「おうぎ形」といい、この時の角度を「中心角」と言います。
次に面積と円周についての復習と、おうぎ形の面積と弧の長さの求め方について考えていきましょう。
- 円周=直径×円周率(π)
- 円の面積=半径×半径×円周率(π)
で求めることが出来ました。
おうぎ形は円に対して何分の1の大きさかを考えていく必要があります。円の1周が360°であることを考えると
- 弧の長さ(おうぎ形の円周)=直径×円周率(π)×(中心角/360°)
- おうぎ形の面積=半径×半径×円周率(π)×(中心角/360°)
と求めることができます。
例題
半径6cm、中心角60°のおうぎ形の弧の長さと面積を求めよ。
解説
公式に当てはめればよい。
弧の長さ=直径×円周率(π)×(中心角/360°)
なので、6cm×2×π×(60°/360°)=2π(cm)となる。
おうぎ形の面積=半径×半径×円周率(π)×(中心角/360°)
なので、6cm×6cm×π×(60°/360°)=6π(cm²)となる。
また、弧の長さと半径が分かっているとき、中心角が分かっていなくとも面積を求めることができます。
おうぎ形の面積=弧の長さ×半径÷2
知っておくと便利なので紹介しておきました。