






皆さん、『万葉集』はご存知でしょうか?
とても有名ですよね!
万葉集には、たくさんの和歌がつまっています。
今回は、いくつも和歌を現代語訳しながら、万葉集特有の「長歌・反歌・東歌・防人歌」について解説します。
1つでも分からない言葉があった方は、ぜひ復習にご活用下さい!
お時間がない方は、【まとめ】から各用語の意味を確認できますので、閲覧ください。
さて早速ですが、まずは『万葉集』について見ていきましょう!
テストによくでる!『万葉集』のポイント
では、実際に万葉集で詠まれた和歌を見ていきましょう!
いくつか和歌を紹介していきます!
近江の海
夕波千鳥
汝が鳴けば
心もしのに
古 思ほゆ
近江の海(琵琶湖)の、
夕方の波の上を飛ぶ千鳥たちよ。
あなた達が鳴くと、
私の心はしおれて、
昔を思い出すよ。
【ポイント】「古」とは?
「古」は柿本人麻呂が子供のころを思い出して言っているわけではありません。
「古」は昔の天皇が治めていた時代のことです。(ここでは、天智天皇)
その時代はよかったなあと、しみじみと昔を思い出しているんです。
銀も
金も玉も
何せむに
まされる宝
子にしかめもや
銀も
金も宝石も
どうしたら、
優れた宝になるだろうか。
子どもという宝には及ばない。
【ポイント】 どんな思いが込められている?
子どもの大切さを詠んでいます。
和歌の前半では、3つもの宝石について話していますが、最終的には子どもに勝るものはないと締めくくっています。
君待つと
吾が恋ひをれば
我が屋戸の
すだれ動かし
秋の風吹く
あなたが来るのを待って、
私が恋しく思っていると
私の家の
すだれを動かして
秋の風が吹いてくる
【ポイント】 この歌は何を言いたいの?
これは恋の気持ちを詠んでいます。題名にある「相聞(そうもん)」とは恋の歌であるという意味です。
という恋する気持ち2つを詠んでいます。
自分のゆれる恋心をすだれにかさねています。
また、家の戸がゆれたので、恋の相手が来たと期待したが、秋風の仕業だったと描いています。
今回はパート2として、 長歌を紹介します。
前述の和歌とは少し雰囲気が変わるので、見ていきましょう!
天地の 分かれし時ゆ 神さびて
高く貴き 駿河なる 富士の高嶺を
天の原 ふりさけ見れば 渡る日の
影の隠ろひ 照る月の 光も見えず
白雲も い行きはばかり
時じくそ雪は降りける 語りつぎ
言ひつぎ行かむ 富士の高嶺は
天地が分かれた時から
神々しく高く貴い駿河にある富士の高い山を
空に仰いで見てみると(空を)渡る太陽の
光も隠れ(空に)輝く月の光も見えない。
白い雲も前に進めなくなり
いつも雪が降り積もっている。語り聞かせ
語り継いでいこう、富士の高い山を。
この長歌の後には、長歌の説明を加えたり、短くまとめたりする和歌が続きます。
これを、「反歌」といいます。
田子の浦ゆ
打ち出でて見れば
真白にそ
富士の高嶺に
雪は降りける
田子の浦を通って
(見晴らしの良い場所に)出てみると
真っ白に
富士の高い山に
雪が降っていることだよ
多摩川に
さらす手作り
さらさらに
何そこの児の
ここだかなしき
多摩川に
さらす手作りの布。その「さら」ではないが、
さらさらに
どうしてこの娘が
こんなに愛しいのだろうか。
【ポイント】 どこで詠まれた歌?
「多摩川」という地名が書いてあるので、関東だということが分かりますね。
このように東で詠まれた歌は、「東歌」と言います。
父母が
頭かきなで
幸くあれて
言ひし言葉ぜ
忘れかねつる
父と母が
(私の)頭をなでて
「無事にいなさい」と
言った言葉が
忘れられない
【ポイント】 この歌は何を言いたいの?
旅立ちの時に詠んだ歌です。
また、これは防人(さきもり)の歌といいます。
防人という仕事に就いた人やその家族が詠んだ歌のことです。
防人とは、九州を守るお仕事です。九州以外からも兵隊が集められ、外国の敵から守るお仕事をします。
\小・中・高校生の勉強にお悩みのある方へ/
現代語訳や新たな用語がでてきて混乱している方もいらっしゃると思いますので、ここでまとめをします!
今回絶対覚えてほしいのは、『万葉集』特有の和歌の種類です。
下記の4つを絶対に覚えましょう!!