【公民】行政と内閣
今回は行政と内閣について解説していきたいと思います。
三権分立の行政権を担う、内閣の仕組みと構成。立法権をもつ、国会との関わりから、各省庁の説明をしていきます。
司法権を担う裁判所と異なり、内閣と国会はセットで覚えることが多い分、混乱しがちですが整理して理解していきましょう。
1.行政と内閣
法律や予算にもとづいて、国の政治を進めることを行政と呼びます。
その行政の最高機関を内閣と呼び、三権分立の一翼を担います。
内閣の長を内閣総理大臣(首相)と呼び、国会議員の中から国会が指名し、天皇が任命します。
内閣総理大臣は内閣のメンバーである国務大臣を各省の長として任命し、行政を進めていきます。
国務大臣の過半数は国会議員から選出しなければならないという決まりもあります。
行政は、内閣総理大臣と全ての国務大臣による会議(閣議)による全会一致を方針として進められます。
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2.国会との関わり
内閣が国会の信任の上に成り立ち、国会に対して連帯して責任を負う仕組みを「議院内閣制」と呼び、日本やイギリスではこれが採用されています。
これに対して、議会の議員をえらぶ選挙と 行政府の長(リーダー)をえらぶ選挙とが異なり、立法と行政が議院内閣制に比べて独立している仕組みを「大統領制」と呼び、アメリカやブラジルなどで採用されていて、内閣総理大臣よりも大きな権力を持ちます。
内閣と国会(主に衆議院)の関係は大きく5つあります。
- 内閣が十分な働きをしておらず、認められないと考える場合、衆議院では内閣不信任案を決議することが出来る。
- 内閣は内閣不信任案が可決されると、10日以内に内閣が総辞職するか、衆議院を解散させなければならない。
- 衆議院の任期が来た場合、または衆議院が解散された場合には、衆議院議員選挙が行われる。この選挙で最も多くの議席を獲得した政党が与党となり、通常与党の総裁が内閣総理大臣に指名される。
- 内閣総理大臣はその後、国務大臣を任命し、新しい内閣が作られ、国会と連帯責任を負う。
- 国会(衆議院・参議院とも)は内閣に対して国の政治や行政について調査することできる国政調査権を持つ。
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3.内閣と省庁
3-1.内閣の仕事
第1章で内閣は行政を執り行うと説明しましたが、具体的にどのような仕事をしていくかを簡単にまとめていきます。
- 法律に基づいて、政治を進める(行政)
- 条約を結ぶなど、外交処理をする。
- 法律案や予算を作成し、提出する。
- 法律を実施するための政令を定める。
3-2.省庁とは
日本には1府11省1庁(1府11省2庁、1府12省庁とされる場合もあります)の「省庁」があり、それぞれに持つ役割や規模によって名称が分けられています。
内閣の子どもが「省」であり、孫が「庁」のような関係です。
ここでは代表的な省庁の名称とその役割を紹介していきます。
- 内閣府:重要政策に関して、内閣の事務を助ける。
- 総務省:行政運営の改善や地方行政、選挙や通信など国の基本的な仕組みに関わる。
- 法務省:法に関連する様々な国の行政事務に関わる。
- 外務省:他国との外交事務に関わる。
- 財務省:財政の確保、税制度の運営に関わる。
- 厚生労働省:医療や社会保証、雇用政策などに関わる。
- 文部科学省:教育の振興や科学技術の発展などに関わる
- 防衛省:自衛隊を管理し、国の防衛に関わる。
- 国土交通省:国土の保全・開発や、交通政策、その他気象業務などにも関わる。